【w.r.w.r.d.!】Mi sta cercando (ページ21)

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▽偽りの夢に溺れて:zm ページ21

ゾムside

「あのね、ゾム。今日はいい事たーくさんあったんだよ！聞いて聞いてっ！」

「おん、聞いてやるからそんなに足をバタバタせんで。俺に当たっとるから！」

「何言っているのか分かりませんなぁー？という訳で、おりゃおりゃあー、足で攻撃！」

「お、やったな？反撃してもええってことやな？」

「あっごめんやめる」

ソファに座っている俺の隣に座り、ぶらぶらと足を動かすA。今日もまた、そんな彼女と一緒にいる。

Aは足をぶらぶらと動かすのが好きなようで、よく動かすんやけど、何故かいつも俺の足を蹴ってくる。と言ってもそんなに力強くないからあんまり痛くもないけどな。なんて言えば怒られてまうけど。

「それで何や、俺に話したいことって」

取り敢えずげしげしと足を蹴られるのがちょっと擽ったい。だからソファーの上で胡座をかくとAはむぅ、と口を尖らせた。

「あ、そうそう。聞いて、ゾム！今日ね、美味しいスイーツ食べに行ったの。それがすごく美味しくてさぁ！また食べに行きたい」

「Aはホンマにスイーツが好きやな。そんな食べて飽きんの？」

「全然？スイーツは正義だからね」

「理由になってへんやん！」

「いいの！スイーツは何がなんでも正義なんだからぁぁぁ！」

顔を少し赤くさせて叫ぶAになんとも言えない愛しさが心の底から湧き上がってくる。嗚呼、今日も可愛いなぁ、A。昨日とはまた違った可愛さがあって、俺はまた彼女のことが好きになっていく。

「んひひっ、Aは可愛ええなぁ」

そう言って頭を撫でれば、顔をもっと赤くさせてワタワタと慌てるA。そういう所が可愛ええ。
くつくつと喉の奥で笑えばむぅと頬を膨らませてポカポカと俺を叩いてきた。そんな痛くないけどな。
でもそれが俺には照れ隠しにしか見えなくて、その姿すらも愛らしく感じる。

「も～、ゾムは何時も私をからかうよね」

「からかっとらん。だってAが可愛ええのは事実やしな」

「っ、その、あ、ありがと…」

顔をさっきよりも真っ赤にさせ、手で口を抑えているAが可愛すぎて俺はAに抱き着いた。

「あぁ～、Aポカポカしとる。暖かいわ」

「え、ちょ、あ、ゾム！？！？」

ぎょっと吃驚して俺の腕から抜け出そうとするAを俺はぎゅっと温もりを確かめるように力強く抱きしめた。