【w.r.w.r.d.!】Mi sta cercando (ページ22)

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そうAと他愛のない話で盛り上がっていたり、抱きついたりと充実した時間を過ごしていた。

しかし、その時間は当然、終わりを告げた。

ピピピピピピピピ、とこの空間に長く甲高く鳴り響く無機質な音。

その音が鳴り響くと共に、色づいていたこの世界は急速に色を失い、モノクロな世界と化した。

にこにこと笑っていたAすらも、色を失い、つい先程と同じ表情で、同じポーズで、動きを止めている。

もう、俺は目覚めなくてはならないんか。

嫌だ、もっとこの世界に居たい。

Aとずっと一緒に居れる、この世界に。

Aと笑い合って、触れ合うことが出来る、この世界に。

叶うことならずっとここに居たい。

しかし、”現実”がそれを許してはくれない。

強引にこの世界を終わらせ、俺を元に戻してしまう。俺が望んで居ない、現実へと。

急速に周りの景色がぼやけていく中、ふとAと目が合ったような気がした。…その彼女が、悲しそうな顔をしてたのは気の所為だったのやろうか。

閉じていた瞼を開ければ、俺の視界に入ったのは何時も起きる時に目に入る真っ白な部屋の天井。

嗚呼、戻ってきてしまった。そう判断するには十分すぎる光景だった。

目を覚ましてしまったのはしゃあないことや。いつかは起きなくてはならんし。そう割り切ってベッドから上半身を起こす。ぐっと伸びをして一つ欠伸を吐き出した。

サイドテーブルに置いてあったスマホを手に取る。

そしてとあるメッセージアプリを開いた。

そのメッセージアプリに表示されているのはシッマや大先生のトークだったり、他のメンバーのトークだ。大体昨日や今日が最新履歴であるトークが多い。
しかし、その中に一つだけ、時が止まったかのように、何もメッセージもましてや既読すらもつかないトークがある。

A。

俺の好きな人の、トークだった。