40人目 ページ6
彼女が家を出発してから丸一日。
烏が鳴いて寺院の鐘が鳴った頃、彼女はＫ国の城の前に立った。
軽く弾んでいる息を整えるように深呼吸をした。
手慣れたように気配を消し、城壁を登って城の内部へ入る。
軽い身のこなしで走りぬけ、あっという間に王の間まで辿り着いてしまった。
扉の上に取り付けられていた小窓から中に入る。
玉座の前に降り立つと、深々とお辞儀をした。
「どうも。依頼を受けました妖狐の暗殺者でございます。少しお話をしにやって参りました。」
はりつけた笑みを浮かべる彼女に気づかぬまま、ナットはおぉ、と声をあげる。
nt『よく来たな！ターゲットが来るのは丁度一時間後だ。二人きりで話そうと言ってある。ここのダクトに入っておれ。頼んだぞ。』
そう言ってナットは上にあるダクトを指差す。
彼女はええ、と返事をし、もう一度にっこりと笑ってダクトに消えた。
狭くて埃くさいダクトは、どこか懐かしいものがあった。
―嗚呼、どこで見たっけ。
考えるも思い出せるはずがなく、気づけばあと十分でターゲットがやって来る時間。
体がダクトの壁にぶつからぬよう、慎重に身を捩り下を見下ろせる体制に変える。
足のほうに手をやり、ナイフの柄に手を当てた。
彼女のブーツが微かにギュッと音を立てたとき、それをかき消すかのように王の間にギギギ、と不快な音が響いた。
嗚呼、確かに護衛はついていない。
今この場にいるのはターゲットである外交官、ナット、そして彼女のみ。
いつもであればこの時点でダクトから飛び降り、その手に持っている小さなナイフを赤で染めるのであるが、その時彼女はそれをしなかった。
何故か？
―見覚えのあるその姿に、目を見開いていたからである。
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日高ナツメ(プロフ) - mo4さん» ありがとうごさいます！とりあえず完結させられました・・・ (2019年12月29日 6時) (
レス) id: a414d96f78 (このIDを非表示/違反報告)
mo4 - お疲れ様でした! (2019年12月28日 22時) (レス) id: c8f50611df (このIDを非表示/違反報告)
日高ナツメ(プロフ) - aityandao824さん» ありがとうございます！！思いついたら短編っぽく入れてみようかな・・・考えてみます。そこまで期待せずにお待ちくださいっ！ (2019年12月27日 22時) (レス) id: 7897dbe3ea (このIDを非表示/違反報告)
aityandao824(プロフ) - お疲れ様でした！時々でもいいのでネタ話や間の話など投稿して頂きたいです！ (2019年12月27日 22時) (レス) id: b8cadeac1b (このIDを非表示/違反報告)
日高ナツメ(プロフ) - おにぎりさん» わぁぁぁぁぁコメントありがとうございます！！返信遅れて申し訳ない・・・楽しみに待っていてください！ (2019年12月17日 14時) (レス) id: 7897dbe3ea (このIDを非表示/違反報告)
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