第七夜 面白い客 ページ8
「よし!俺らも呼んでみるか!」
目をキラキラさせながらジュダルが言う
「もう決まったのぉ!?」
「そりゃもちろん詩織だろ。紅覇、どっちが呼べるか勝負しようぜ!」
「は、はぁ!?何言ってんの!?なかなか初回すらしてくれないんでしょその子!」
「俺は先行ってるぜー。」
ジュダル君は別の部屋に入っていってしまった。
「...来てほしいなぁ。ジュダル君に負けるのは癪だからね。」
そう呟きながら僕も部屋に入る。
といっても、いざ一人になると緊張する
隣の部屋では遊女と遊ぶ男達の声が聞こえる
詩織に交渉を持ちかけるため料理を注文する
もちろん座らせられたのは下座
いつも自分が上座だから変な気分...。
遠い机の向こう側上座に交渉が気にいれば遊女はやってくる
-詩織の部屋-
その知らせは直ぐに番頭新造によって伝えられた。
黒髪の青年。
ピンクの髪のおなごのような男。
「...。料理は?」
ジュダルと紅覇が用意したものを聞く
「一緒にこればよかったものを。今はほかの客の相手で忙しいと言っておれ。」
「あい...。」
-茶屋-
交渉決裂の知らせは直ぐに2人に伝えられた。
「やっぱ人気者なんだねぇ。」
来ないなら帰ろっかなぁ...
「あの、来ないなら帰るって言っといてほしいんだけど。」
たった一時間で衝撃の伝言を託した
-詩織の部屋-
「女郎、とのから伝言ですぇ。」
「またか...。んで、内容は?」
「来ないのなら帰ると言っていんす...」
「はあ?帰る?もう?」
他の男なら自分を呼ぶために何百万も使って食事を用意し、何時間も待ってもてなす準備をしている。
「ふっ...おもしろい客じゃないかい...たった一時間で帰るって言ってんだって?」
煙を吐いていた紅を塗った口が弧を描いた後、口がゆっくりと開く。
「...あの人さんは、まだ帰っていないのかぇ...?」
も一つ、煙を吐く。
「あい...。」
「まぁまだ帰るのは早い、と伝えておくんなし...。」
「あい...。」
一人になった花魁が煙管を禿に渡し、立ち上がるとすぐさまもう一人の禿が着物を直しににやって来る。
「ただのよたろうじゃないといいんけれど。」
二人の禿を連れ、髪飾りを揺らし・・・ゆったりと歩き出す。
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との...客のこと
あの人さん...名前のわからない客
よたろう...馬鹿な(阿呆)な客
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ゆみ - 面白いです 続き気になります ゆっくりでもいいので更新頑張って下さい (2017年1月20日 20時) (携帯から) (レス) id: a64fcc18a2 (このIDを非表示/違反報告)
黒蝶*Black butterfly(プロフ) - とても面白いです!続き、楽しみにしています! (2017年1月4日 22時) (レス) id: b433954d57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃむ | 作成日時:2016年12月9日 17時