第６録 オレの使命 ページ8
『言われなくてもそのつもりだ、あの大量のAKUMAがどっちから来たと思ってんだ……
日本語の通訳も必要だろ、行ったことのない国だから地理はわからないが、大体の山や川の位置は把握している』
「流石でございます、こちらから本部へ、A様の安否が確認出来たとお伝え致します。
定期連絡を怠ったことも含め、お伝えさせていただきます」
『あー、それはありがたい、頼んだ』
船は補充要員として現れた新人のミランダがタイムレコード、と言うイノセンスで船を修復した。
そのあと色々あったが、無事船は出航する事になる。
「コムイ達から？」
「［最新の団服です］って、みんなのもうボロボロだろうから渡すように頼まれたの」
軽くて動きやすいと飛び跳ねるラビ、頑丈さも兼ね備えているらしく、Aはリナリーの側で見ていた。
頭にティムキャンピーが乗っている。
ちなみに、所在不明のAの団服はなかった。
「(ハッ！Aちゃんの分がないのを気にして見ている！！！？) あの！Aちゃ、」
『脱ぐなよ？』
「ひっ」
鋭い目で射抜かれ後ずさったミランダ、息を落ち着けてから気を取り直し、リナリーの服を取り出した。
声を掛けるもリナリーは塞ぎ込んでおり、反応も希薄だ。
『ミランダ、あとで渡し……』
窓ガラスが割れる音がした。
『おいおいおい……Jr.？』
「いい加減にしろよ……」
スッとAはリナリーを庇うようにして立った。
「仕方ないことだったんさ……っ、オレらは昨日必死に戦った、どうしても、助けらんなかったんだよ…っ」
息を吸う、
「戦争なんさ、しょうがねェだろ！！
諦めて立てよ！！！」
リナリーの頬に伝う涙、Aが真っ直ぐラビに向かって歩いた。
『お前こそ、諦めたらどうだ。それとも、諦め方を知らないのか？』
「っ」
胸ぐらを掴んで睨む、鋭い眼光がラビを射抜いた。
『そうやって吠えて、何かが解決すると思うか？自己満足の為の遠吠えなら、月に向かってやってろ……
ブックマンだろお前、
自分が何言ってんのか、解ってんのか？』
その瞬間、ブックマンがラビの背に乗りマウントを獲って首を締めた。
ボソボソと二人で会話している。
「ワシだけでなくあの娘にまで言われるとは情けない、」
「う、」
ブックマンはラビから離れ景色を見る。
「まぁそれに……私には［時の破壊者］と予言を受けたあの小僧が、死んだとは、どうも信じられん」
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作者名：名取針子 | 作成日時：2019年4月15日 19時
