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第4録 ワタシの記憶 ページ6

「うぉ!?あれ?……女は??」

帽子を押さえ、風圧で目を瞑ったノアは彼女を見失った様だ。

本当に見失ってくれたのか分からず、Aはアレンを置いて、そのままこの場を離脱した。

『はぁ…動きとか、攻撃とか、ほんと予想出来なさ過ぎ、ノアっってあれだ、セトの…』

千年伯爵の一族。戦おうと思えば戦えるんだろうが、今の偽りだらけのイノセンスでは不利だった。

目を瞑り、記憶を辿る。

自分の師とボヤける仲間の後ろ姿を思い出し、悲しい気持ちも一緒に頭を振って振り払った。

『相手が本気じゃないから離脱できたけど、あの色気あるノアの情報もない、いつ前線に?

……あっあの白髪!

ってもう死んでるか、リナになんて説明しよう、随分親しそうだったけど、』


太陽が上がって来た頃に地面に降り立つ、するとアレンの姿は無く、代わりにリナリーと赤い髪の子が立っていた。

『あれ?』

「Aっ」

ぎゅうっと抱き締めてくるリナリーを抱き締め返す、泣き出す彼女の少し高くなった頭を撫で優しく問うた。

『リナ、ここにあった白髪は?』

「アレンくんが、どこにも居ないのっどうして!?」

『……さっきここで白髪が心ぞ、いや、何でもない…私、その映像の男と戦ったんだが』

Aはティムキャンピーの映像を指差す。

「うそっ大丈夫だったの!?」

涙ぐんでいる彼女が私の周りをくるくる回って無事を確認している。可愛い。

『色々と未知数過ぎて、これ以上やったら危険な感じしたから、上空まで一気に逃げたら見失ってくれたみたい……』

目線で追って話ながら笑う、リナリーの動きを止め赤髪の方に向ける。

「で、リナリー?その人は誰さ?知らないんだけど……」

赤髪の男がポケットに何かを入れながら、じっと値踏みするように、こっちを見てきた。

「あっラビ……こちらクロス元帥の弟子のA・K・ハーヴィーよ。

一つのイノセンスを三つの対AKUMA武器にしてて、放浪癖のあるA」

『何だよそれ〜私は定期的に連絡してるし、一年に一回はちゃんと帰って……』

ガシッとリナリーに胸ぐら捕まれた。

「毎回帰ってきてよ!今回も、心配したんだからっいつも連絡してくれるのに、今回はしてくれなかったじゃない!
一緒にクロス元帥捜索の任務があったのに、ばか!

いなくなったのかと……死んじゃったのかと思った!!

っバカ!」

『あ〜、クロス元帥と一緒に居たんだ!』

「!?」



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作者名:名取針子 | 作成日時:2019年4月15日 19時

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