検索窓
今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:43,217 hit

■閑話 K.LとChange ページ48

Aside…教団に入団した話

緊張した面持ちのコムイとヘブラスカの予言を受け、彼に妹を紹介すると言われた。

入団が終わると、そそくさとクロス元帥は私を置いて消えた。
十八歳になった今、探そうとは思わないが……。

寝室であろうドアを開けると、可愛い女の子が椅子に座っていた。

彼女は九歳だとコムイは告げる。

『へぇ、この子がお前の妹か……可愛いな』

「でしょ。自慢の妹だよ」

「兄さん…この人だれ?」

とたとた、そんな音が聞こえてきそうな動きだ。

『こんにちは、私は……』

「……リナリー?」

自己紹介しようと近付くとコムイの後ろに隠れる、その表情はとても悲痛なモノだった。

「この人、怖い……」

『……あ〜、うん、そうだな怖いよな……』

知らない人だもんな、と困った様にしているとコムイが私を気にかけた。

「人が怖いみたいで、すまないね…」

『大丈夫だ、慣れてる……

よしっリナリー?私が今日から君のお姉ちゃんになろう、どうだ?そしたら怖くないだろ?』

「……お姉ちゃん?」

『そうだ、お姉ちゃんだから何だって聞いてやる、辛かったら守ってやる、どうだ?怖い人が味方になるんだ。何も怖くないだろ?』

目線の合わせているが、どうしても男っぽい…コムイが咳き込んで目を細めた。

「……A、もう少し女の子らしい言葉使いをして欲しいんだけど、」

『え?あ、あぁ…わかった気を付ける』


数日後、団服を取りに歩いていると、背中に衝突を感じた。

「兄さんっ」

この声は、

「…あれ……?」

『ど、うしたの?リナ、リー……?』

コムイと私の髪型が似ており間違えたようだ。

「兄さんじゃ、ない……っ」

ぽろっとリナリーの目から涙が溢れた。

『えぇー、泣くの〜〜…?』

「ぐすっ、ぐすっ」

『全く、おいでリナリー』

脇の下に手を入れて抱き上げる。

「わっ」

『一緒にコムイの所に行くぞ〜〜…あぁ違うか、行きましょう?』

言葉を言い直して微笑むと、小さな手でぎゅっと服を握ってきた。

『リナリーは軽いねぇ、まるで天使みたいだ。ほら、こんなところに羽が付いていた』

資料を書き留める為に持っていた羽ペン、彼女の頭を撫でる時に隠して持ち、ペン部分を隠し見せる。

「え!?何でっ私そんな鳥のいるところなんて行ってないわ、」

彼女は頭を触りながらクエスチョンマークを飛ばす。

『くすくすくす…っ』

「あっ、それ羽ペン!!」

気づいた彼女が驚く、抱え直しながら笑った。



next

■閑話 K.LとChange2→←第40録 休息



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.9/10 (18 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
50人がお気に入り
設定タグ:D.Gray-man , ラビ , Dグレ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:名取針子 | 作成日時:2019年4月15日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。