検索窓
今日:23 hit、昨日:1 hit、合計:43,235 hit

第40録 休息 ページ47

ラビが無意識に手を伸ばす、目の前に現れた彼女を抱き締めようとした。

「Aか」

「っ!?」

神田の声で、ラビが弾かれたように手を引っ込めた。

『神田!久しぶりっ』

「チッ」

舌打ちした瞬間に神田の腕を掴み、引き寄せ、Aが首を腕で絞めている。早業だった。

『おい、舌打ちとかないよな?な??……神田ぁ??』

「ッ……うぜえ!いってぇし!!

久しぶりも何も、テメェ、連絡してこなかっただろ!!ふざけるなよ!オレ達がどれだけ……

チィッ!!」

盛大に舌打ちをした神田、そんな彼を腕から開放した瞬間、傷口があるであろう部分を叩くAに、神田が手も足も出ないでいる。

リナリーにですら口答えしていたのに、だ。

三人の絆が一瞬で目に見えた。

『はい、今度の手合わせ手加減しないからな?これ決定!鼻フック?キャメルクラッチ?それともお姫様抱っこで教団を走ろうか?』

「はぁ!?」

まるで姉に逆らえない弟みたいだろ、とマリが言った。

「あの、A……さん?」

アレンが話しかけてくる。

『はい、何?弟弟子』

「……えっと、」

『なに?なーに??』

「えっと!」

何かを言いたそうなアレンとそれをさせないA。

『先輩と呼んでも良いけど?』

「いえ……っ遠慮します」

『じゃあお姉ちゃんでも良いけど?』

「うえ!?お姉ぇ、いや、そのっ」

あたふたするアレンをとても楽しそうに見つめる、その目がとても優しい。

頭を撫でながらごめんごめんと笑った。

『おっと……で、本題は?』

「(あれ?リナリーが大っ嫌いって言ってたのこの人だよな?)

あっ、はい。中国支部で、貴女の新しい服を持っていくようにって言われました」

『え?ホント?』

近くに合ったトランクスを彼女に渡す、

『?…新しい団服か!めっちゃ嬉しいっ!やった〜っ!
何これ手紙??コムイ?サイズは前のままだから、次来たときに測らせてって、ん?あっ……

ふふ、本当は数ヶ月前に戻ってるつもりだったんだけど、もぅ……ばか』

手紙を見ながら優しくばかと呟いた彼女、ミランダがクスクス笑った。

『え?あっ……コホンッ、ラビ、そこの水代わって』

水を被っていたラビの手に新しい服を乗せ、そして、目の前で服を脱ぎ出した彼女に皆がギョッとする。

もう少しで胸が露になる、その瞬間目が合った。

「へ?……うおっ!?」

Aの手が伸び、ラビの首もとのバンダナを引き上げる。

何も見えなくなった。



next

次回閑話二話。

■閑話 K.LとChange→←第39録 白、白、白



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.9/10 (18 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
50人がお気に入り
設定タグ:D.Gray-man , ラビ , Dグレ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:名取針子 | 作成日時:2019年4月15日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。