第38録 第二開放 ページ45
『神田ッ!』
色気のあるノアと神田が戦って煙幕の向こう消えた。
イノセンスを神田に向けるも、あれでは天幕が届かない、Aはもう一人の大きなノアと戦うラビを見た。
ノアを見失ったラビ、煙幕に影が射していた。
『ラビッ!横だ!!』
ガードが間に合ったの分からないが、煙幕の向こうに消えてしまった。
『ラビ、クソッ!!』
Aの声でリナリーが興奮し始める。
『リナリー!落ち着け、大丈夫だ!大丈夫だから!!』
〈A!ラビは!?神田は!?どうなってるの!?〉
ドンドンとイノセンスの壁を叩く、触れようにも触れられない壁、天幕をリナリーの結晶に付与し、ラビや神田を探す。
風で動いた煙の中から、頭を鷲掴みにされたラビを見つけた。
ミシリ、ミシリ……頭蓋骨の軋む音が聞こえるようだ。
ラビが目を見開いた。
いや、嫌、嫌だっ
『ッ……ラビぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!』
イノセンスに火が灯る、
駆け出し、
殺そう、アイツを……
しかし、ラビが動き出した。
端の方でマリがノアの動きを止めていた。
「マリ!」
元気な声も聞こえる。
『あ、あぁ、良かった……』
その場で膝から崩れる。
ホッっと自分を叱咤し、頬っぺたを叩いて立ち上がりリナリーに向き合った。
『リナリー、大丈夫だ皆大丈夫だから、落ち着いて、イノセンスを操作するんだっお前なら出来る!』
〈いやよっみんなぁっ!!〉
それでも段々リナリーに声が届かなくなって来ている。
ダメだ、このままじゃ……!
『リナリーっ、お願いだから落ち着いて!!』
ラビの声が響いた。
「リナリィー!!」
伯爵が直ぐ側にいた。
急いで天幕を出そうとするも目の前にいる伯爵の方が早い、眼前で黒い弾が弾けた。
『っ、“ 雨の天っァアアアアァァァァッ!!!』
「消えなサイ♡」
煙が上がる。
後ろに倒れそうな身体を踏みとどまり、血を拭う、額から血が流れた。
『っぅ、はく…しゃっ、がはっ』
「ふむ〜、キミは本当にしぶといですね♡」
ぽふっとAが伯爵の胸に倒れる。
「おや♡?」
その手にはイノセンスがあり、切っ先を伯爵に当てていた。
そして、その先には巴紋が在った。
『イノセ、ンス……第二、解放……“
炎の刃が伯爵を突き刺す。
しかし、手応えがなかった。
『あ、れ……?』
煙のように伯爵が消える。
突き刺した伯爵は、ダミーだった。
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作者名:名取針子 | 作成日時:2019年4月15日 19時