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第33録 Shall we dance? ページ40

『そうかよ!』

身体の重さを軸に縦に回転してノアに迫る。

奴の眼前に刃が迫ってから、刀の背を蹴りスピードが上がった東雲がノアの頭上に落ちる。

「っ、ぶね!」

ノアが瓦を通過する方が速く、その場には粉々になった瓦が散乱しただけだった。

ラビが攻撃に加わり、動き辛くなる。

『ちっ』

「え、舌打ちされたさ」

『邪魔だ』

刀から炎が溢れ出す。

「そんな事言うなさっ…とに、戦いになるとユウを思い出すさ!」

ノアがラビに攻撃を始める。

『おい!私とだろ!?』

「あんた強いから最後」

足元を崩され地面に激突する。その間にラビとノアは場所を移動した。

どこからか嫌な音が聞こえ始めた。

『!?何あれ……AKUMAが大きく……?』

再度屋根に登りラビの側に跳んだ。

「マジ?」

『ラビ!!』

「よそ見してる場合じゃねェぞ」

ラビか右手を動かし痛みに顔を歪める、イノセンスとノアの攻撃が重低音を響かせた。

再度攻撃を繰り出そうと近づくノアに、ラビがイノセンスの解放を行うと停止する。

「あんた、何でも通過する能力があるみたいだけど、イノセンスは別だったりして

あん時…アレンの左手に一発くらってたさ

お前らノアもアクマ同様、イノセンスが弱点なんじゃねーの?」

思ったより冷静でAは安心する。

剛雷天(ごうらいてん)!!!」

龍のようなモノがノアに向かう、空の大型AKUMAが動き出した。

『ラビッ!守天!』

ラビの襟首を掴んで引き寄せ、ドーム型の水膜を何重にも張る。

「んだよ、そんなに眼帯くんが大切なの?」

『え?』

「大切そうに抱き締めてるじゃん」

『……そう、見える?』

AKUMAの攻撃がミランダのイノセンスの壁に集中する。

『ワタシが、この子を?大切そうに?……そう見える?』

「妬けるくらいにな」

『ウソつき……

うるさい!!』

Aが頭を振り東雲に炎を纏わせ、構えると真っ直ぐノアを見据えた。

「今のなに?お嬢一瞬別人に見えたんだけど、」

『行くぞ』

唖然としていたノアを斬り付けるとそこに居らず、後ろから呻き声が聞こえた。

「ぐあっ!」

『ラビィ!?』

吹き飛ばされたラビ、一瞬だけそっちに目を向けるが、すぐにノアへ向き直りAは東雲を構え直した。

彼はラビの吹き飛んだ方向を見つめていた。

「あちゃー、どっか飛んでったな。

じゃ、一人になったし、エスコートするぜ?」

ティキがAの前で一礼してくる、まるでダンスに誘うかのようだった。



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作者名:名取針子 | 作成日時:2019年4月15日 19時

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