第七十三夜 藍染。 ページ9
「………ん……………」
目を覚ますと、そこは見慣れた 私が最も知っている自室のベッドの上。
額にのせられている濡れたタオルを退かし ゆっくりと起き上がれば不意に扉が開いた。
「───誰だ」
「私だよ」
「…父上………！」
焦ってベッドから降りて父に傅けば 父は陽気に笑い、顔を上げろと告げる。
指示された通りに顔を上げて立ち上がると、父から頭を撫でられ その箇所から困惑が広がった。
「迷宮、攻略したのだろう」
「…！は、はい…っ！」
駄目だ、叱られるか と目を固く瞑れば それとは裏腹に「よくやった」と賞賛の言葉をかけられる。
「…………？」
「その力を大事にして、一層武術に励むんだぞ」
「は……はあ………？」
その言葉が何故か嬉しくて、ジンの宿った剣を強く握り締めた。
その晩私は王宮を抜け出し、船に乗って 姉上の死んだ、とある王国へ単身で乗り込んだ。
動揺していたのであろう。王宮へ乗り込んだ時にはどの兵士も指一本触れてこず、とても戦意があるようには見えない。
「………あれって…」
「……少し前に、この国の地下牢に閉じ込めた…」
「その通りだが、貴様ら戦意はないのか、王を護らずとも良いのか」
「ひっ………！」
ヒソヒソと話していた内容に返事をすればその場が戦慄した。
結局何の抵抗もなく王室へ着き、容赦なく扉を蹴破れば そこには動揺している王の姿が見え 私はゆっくりとそいつに歩み寄っていき 王の喉元へ剣を突き付ける。
「や、やめ…………！ こんなことしたら、死罪になるのだぞ………!!」
「セレム・アルデリーサ…誰の名かわかるな？」
「そんな者、知らん!!!!」
「………そうか。
暗黒と殺戮の精霊よ………汝と汝の眷属に命ず。我が魔力を糧として、我が身に大いなる力を与えよ………
出でよ、ベレス…!!」
紫色の光に紡がれた力魔法は先端から一瞬で王の首を貫き 私は汚れた剣を布で拭きながら 断頭台へと進んだ。
(姉上………
これで、よかったんだよね…？これで、これで………)
瞳から溢れる涙を拭い、剣を鞘に納める。
「おい、お前」
近くにいた兵士に船を用意しろと一喝すれば その兵士は命令通りにすぐ用意してくれ、その船の中で、いつかの幸せな日々を思い出しながら王宮に帰った。そしてその国は滅び、私はすることもないので武術に励んでいたら…
二年後に、そう、おまえと会ったんだ。
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阿呆代表の神(プロフ) - ジュダルがメルレム？の兄となると、確かですが、ヤンバラの一族ということになりますよね。ジュダルはヤンバラ一族ではありませんよ。辻褄があってないというか……原作と違いすぎてゴチャゴチャになってますよ。 (2020年9月9日 17時) (
レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
乙姫(プロフ) - 伯爵王家編は残すところ二話です。伯爵王家編の終了と共に続編へ移行します (2015年4月23日 1時) (レス) id: 28e2e11b2e (このIDを非表示/違反報告)
乙姫(プロフ) - もうすぐ伯爵王家編完結です。まさか三十話にわたり書くことになるとは思いませんでした(；・ω・) あと少しで終わる予定ですので皆様応援よろしくお願いします！ (2015年4月19日 21時) (レス) id: 28e2e11b2e (このIDを非表示/違反報告)
乙姫(プロフ) - えるふぃさん» 有難う御座います！頑張ります(｀･ω･´) (2015年4月15日 18時) (レス) id: 28e2e11b2e (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - 乙姫さん» はい！！大丈夫ですよ、ちゃんとわかります！自分の書き方に自信を持ってください！続きが楽しみです♪ (2015年4月15日 17時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
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