第七十二夜 仮縫。 ページ8
そっと屈み込み、考えを巡らせる。
「………何故、一瞬でも読めた…………それに……触れても、熱くなかった…………？」
本来なら熱で溶けているだろう指先を見ても何ら変わりはない。それを不思議に思いながらももう一度目を凝らして見詰める。何かが読めないかと再度見たのは良いものの陽炎で視界がぼやけて良く見えない。
「ん………炎の…牙……で、踊り…………？この扉に…着きし、………勇者？王者？よ…
太陽に…紅を、口付けろ………??」
意味がわからなかった。読めても訳がわからないならばどうしようもない。
太陽に口付けろ、とはどういうことなのかと脳を働かせる。正常には機能してくれないが。
「………ん？」
扉にふと目をやると、大きな太陽の紋章が浮かび上がっていた。
何か関係があるのかと思い近くを見渡すが、何も見えない。
少し照れ臭いが、誰もいないからとその太陽の紋章にそっと口付ける。
「──なんて、そんなことで開くわけはないか」
紅が何かと言うのがわからない。紅を全て思い出すが、パッと思い浮かんだのは
瞳、ピアス、ネックレス、ドレスの胸飾、唇に差した紅、そして剣に付いた宝玉。
「瞳…は口付けられないな。ピアス、ネックレス、ドレスの胸飾も………唇も違った…………」
どうしたものかと試しに剣に付いた宝玉を太陽に合わせると やはり何も起こらなかった…という訳でもない。少しだけ隙間ができ、辛うじて通る程度の道は開けた。
「これが正解なのか………？」
だがそれが正解とは思えなくて、首を傾げる。
「………！」
反対側の扉にも太陽の紋章を見付け、そういうことかと剣の宝玉をかざすと、紫色の光に溢れて扉が開いた。その先に見えるのはただの通路になっている。
その道を進むと、宝物庫へ着いた。
「………何だ、思ったよりは簡単に攻略できるものなのだな」
『それは我が道を切り開いたからだ。本来ならばあれから七つの扉をくぐらねばならん』
「そうか。………さあ、早く此処から出せ」
そう言って声の主を見上げると ぎらぎらと光る瞳と視線が絡む。
『良いだろう、貴様と契約してやる。我が移る金属器は貴様が腰に差しているその剣で良いな』
「ああ、望むところだ」
そして私はジンの加護もあり迷宮を攻略した。
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阿呆代表の神(プロフ) - ジュダルがメルレム？の兄となると、確かですが、ヤンバラの一族ということになりますよね。ジュダルはヤンバラ一族ではありませんよ。辻褄があってないというか……原作と違いすぎてゴチャゴチャになってますよ。 (2020年9月9日 17時) (
レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
乙姫(プロフ) - 伯爵王家編は残すところ二話です。伯爵王家編の終了と共に続編へ移行します (2015年4月23日 1時) (レス) id: 28e2e11b2e (このIDを非表示/違反報告)
乙姫(プロフ) - もうすぐ伯爵王家編完結です。まさか三十話にわたり書くことになるとは思いませんでした(；・ω・) あと少しで終わる予定ですので皆様応援よろしくお願いします！ (2015年4月19日 21時) (レス) id: 28e2e11b2e (このIDを非表示/違反報告)
乙姫(プロフ) - えるふぃさん» 有難う御座います！頑張ります(｀･ω･´) (2015年4月15日 18時) (レス) id: 28e2e11b2e (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - 乙姫さん» はい！！大丈夫ですよ、ちゃんとわかります！自分の書き方に自信を持ってください！続きが楽しみです♪ (2015年4月15日 17時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
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