第百五夜 悪化。 ページ42
声は届かない。
「嫌だ、姫様……A様!!!」
僕らを助ける代わりに死ぬとでも言うの？
メルレムは涙を溢し、Aの手を握る。暖かさなどは存在せず、ただ冷たい掌が預けられるだけだった。
「許せない……っ」
先程から黙りこくるシンドバッドを不思議に思い見ていると、不意にシンドバッドが立ち上がる。
魔道士を呼んでくる、と残し 部屋に兄と妹の二人が残された。
「兄さん」
「……」
ジュダルは呆然としてAを見る。
はっきり言えばセラフィルとAが勝手にやってこのような結果になっただけ。
でもそれを止められなかった俺は？
あのとき無理にでも魔法を使えば止められた筈。だったら今ごろはAはこんなことにならなかった筈。
後悔したってもう、遅い
「……兄さん」
「……っ」
「返事をしろよｯｯ!!! 二度も、皇女を死に曝すつもりか!!!」
メルレムが掴みかかる。胸ぐらを掴まれ、頬を殴られれば鈍い痛みが響いた。
抵抗なんてできる筈もない。
「俺は……もう、守れねえんだよ……何もかも……触れたものは壊れていく……セレムだってそうだった」
彼がメルレムの胸元を押して身を離す。
「──メルレム、お前も壊れちまう前に 俺から……」
「ふざけんなよ……!!! 都合悪くなったら逃げるのか!!? お前は僕の兄貴だろ!!!!」
メルレムが拳に魔力を溜めるのが見えた。
「……」
「だったらお前は……一生妹の僕を守れよ──!!!!」
そして殴られるかと瞳を瞑れば 自分の真横を拳が貫通し 扉が細かく散らばる。
「……お前まで、僕を捨てるなよ……っ」
メルレムが泣きながら胸元に縋ってきた。
「馬鹿兄貴……行かせないぞ。僕を捨てないって誓うまで、離さないからな……っ」
ジュダルは小さく息を吐く。
「……死んでも、知らねえからな」
彼なりの了承の言葉を掛けると、メルレムが顔を上げ それと同時に魔道士が壊れた扉から入ってきた。
「……この女性ですか？ この女性は……」
辛そうに告げる魔道士に、その場が戦慄する。シンドバッドは、暗い面持ちで「そうか」と答えた。
††
メルレムちゃんはきっと生粋のツンデレ＼(^o^)／
コメントほしいな…壁│ω・｀)
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阿呆代表の神(プロフ) - ジュダルがメルレム？の兄となると、確かですが、ヤンバラの一族ということになりますよね。ジュダルはヤンバラ一族ではありませんよ。辻褄があってないというか……原作と違いすぎてゴチャゴチャになってますよ。 (2020年9月9日 17時) (
レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
乙姫(プロフ) - 伯爵王家編は残すところ二話です。伯爵王家編の終了と共に続編へ移行します (2015年4月23日 1時) (レス) id: 28e2e11b2e (このIDを非表示/違反報告)
乙姫(プロフ) - もうすぐ伯爵王家編完結です。まさか三十話にわたり書くことになるとは思いませんでした(；・ω・) あと少しで終わる予定ですので皆様応援よろしくお願いします！ (2015年4月19日 21時) (レス) id: 28e2e11b2e (このIDを非表示/違反報告)
乙姫(プロフ) - えるふぃさん» 有難う御座います！頑張ります(｀･ω･´) (2015年4月15日 18時) (レス) id: 28e2e11b2e (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - 乙姫さん» はい！！大丈夫ですよ、ちゃんとわかります！自分の書き方に自信を持ってください！続きが楽しみです♪ (2015年4月15日 17時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
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