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第八十八夜 震撼。 ページ25

「逃げなどしないさ………もう、引き返せない」

 彼女がそう言うと、彼が彼女を姫抱きにしてベッドへ押し倒した。

「何を…………ッ」
「あの男に何回抱かれた? 何度口付けられた? 何度口付けた? そんなのを考えるだけで夜も眠れない、君を支配してしまいたい」

 彼の掌が太股を這えば、彼女は目を見開いて彼の腹部を蹴る。

「やめろ、私に触れるな………!」

 開けた胸元を隠しながら部屋から出てひたすら走るが、金属器の能力のせいなのか 何れだけ走っても部屋へは辿り着けない。
 何故か人っ子一人おらず、不気味に感じた。

「………逃がさないよ」
「いやあぁあぁぁっ!!!」

 いつの間にか背後に纏わり付いていた彼に声を上げると、彼が耳にキスをする。

「シンは………」
「知らない。死んでるんじゃないの」

 彼の指が下腹部をなぞり、背中が凍りついた。

「昨日は痛かったでしょう、今日は優しくしてあげるよ」
「巫山戯るな…、離せ!!」

 彼の腕に魔力操作を発動させて緩くなった拘束から逃れる。

「私に触れてよいのはシンドバッドだけだ、この心も身体も全てあいつだけのものだ………!!」
「……何で、覚えてないのかな」
「は………?」

 その瞬間金属器の能力が解けた。走ってシンドバッドのいるはずの部屋まで走る。
 振り向いた瞬間に見たセラフィルの顔は、何故か辛く切なそうだった………。

「シン、シン………!!」

 部屋のドアを開けると、シンドバッドは鮮血の中に一人。息を切らしながらよろよろと立っていた。

「A………か……?」
「そうだ、私だ…! おまえ、酷い傷だ、今すぐ手当てを……」

 彼に触れようとして伸ばした手は、彼が手から逃れた為空を切る。

「ッ!?」
「今の俺には、触れない方がいい………」
「何故…!」
「あいつらの返り血…触れた部分から身体に侵入して脳を支配されてしまう」

 そこまで言うと、彼が意識を失ったようにその場に倒れた。

「………俺も、おまえの判別がつかなくなってきた」
「──ならば、私に触れればよいだろう、その記憶に深く刻め…………!!」

 彼女が彼を抱き締める。

「やめろ…………おまえ、まで……」
「煩い……私にはおまえが全てだ。どう足掻き 彼奴の元へ下ろうとしても、おまえの存在があったからここまで来れたんだ………」

 浅い呼吸を繰り返す彼の口へ彼女は自分の唇を重ねて 小さく声を漏らした。

##
とりあえずここまで公開((
コメントなくて寂しす(´;ω;`)←

第八十九夜 利用。→←第八十七夜 連合。



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阿呆代表の神(プロフ) - ジュダルがメルレム?の兄となると、確かですが、ヤンバラの一族ということになりますよね。ジュダルはヤンバラ一族ではありませんよ。辻褄があってないというか……原作と違いすぎてゴチャゴチャになってますよ。 (2020年9月9日 17時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
乙姫(プロフ) - 伯爵王家編は残すところ二話です。伯爵王家編の終了と共に続編へ移行します (2015年4月23日 1時) (レス) id: 28e2e11b2e (このIDを非表示/違反報告)
乙姫(プロフ) - もうすぐ伯爵王家編完結です。まさか三十話にわたり書くことになるとは思いませんでした(;・ω・) あと少しで終わる予定ですので皆様応援よろしくお願いします! (2015年4月19日 21時) (レス) id: 28e2e11b2e (このIDを非表示/違反報告)
乙姫(プロフ) - えるふぃさん» 有難う御座います!頑張ります(`・ω・´) (2015年4月15日 18時) (レス) id: 28e2e11b2e (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - 乙姫さん» はい!!大丈夫ですよ、ちゃんとわかります!自分の書き方に自信を持ってください!続きが楽しみです♪ (2015年4月15日 17時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:乙姫 | 作者ホームページ:三つもあります←  
作成日時:2015年3月1日 21時

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