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人間の術を練習しよう ページ10

「……はぁぁぁぁぁ」
イチの大きな溜め息に、先程まであわあわとキッチンを走り回っていたヨンが肩を上げた。
「前も言ったよね、呪文を唱えろって」
「…あい…」
笑顔のまま困り眉になるヨンに、怒り調子の声でイチは近寄る。
前も言われたんだ。ていうか呪文って?
こんなこと出来るのは…やはり二人は悪魔…?
…何本フラグ立てんだよ。
ふとイチを見ると、さっきの魔法?みたいなのでフードが取れていた。
ジト目の紫色で、ボサボサの髪。
…あれ?目に何か黒い印が…?
黒い印はスグに消えていった。
何だったんだろう。
見つめていたらイチが気づいて、
「っ!」
思い切りフードを引っ張ってしまった。顔全部が隠せるんじゃ無いかと思うくらい。
「…イブ、そういえばお前も練習しないと」
イチがそのままの状態で言う。ヨンも続けて、
「ホントだ!やろやろ!」
「…え?」
俺には何の練習か分からないが、嫌な気しかしなかった。



「イブー!起きて起きてー!」
ヨンが疲れて座る俺の腕を無理矢理引っ張って立たせる。
予想的中すぎる…もうヤダ…。
「…て…いうか…これ…何やって…んの…?」
俺が聞くと、
「えー?人間の術だよー!」
ヨンが答えた。
「人間の…?」
「人間にへんしーんだね」
「だねー!」
そのために何でナイフを向けられないといけないんだ、と思った。けど、言えるわけが無かった。
「それでついでに鍛えとこっか感覚」
ふ ざ け る な 。何が鍛えとこっか感覚だよ。痛てぇよ。痛てぇよ。何言ってんだよ。
「…はい、じゃあ続きー」
イチはナイフをポケットに入れてから、
「『hide their』。はい、ご復唱」
と両手を俺の方に向けて、どうぞといわんばかりに見てくる。
「え?」
「……」
「……?」
「……」
沈黙が降りた。ヨンも空気を読んだのか黙っている。
復唱…俺も言えばいいのか?
「えっと…『hide their』…?」
…何も起きない。二人は目を合わせてから、
「「はぁぁぁ〜」」
と少々笑いを混ぜた溜め息をつく。
どちらかと言えば安心してる感じ?
「ハイハイ了解ー!よしっ!れんしゅーあるのみだね〜!」
「え、え?え?えっ?」
「はいはい練習練習ー」
「えええええ?」
意味が分からないまま、俺はここから何時間も、何日も、何かの練習した。

今日からイブ兄さん→←皿の片付けは彼に任せると危険



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しおんの蜂蜜 - ありがとうございます!物理天使も精神天使も大切にしております…w (2017年10月11日 17時) (レス) id: 08bff9eebf (このIDを非表示/違反報告)
う〜たん - 天使がおるぅ…全員可愛い! (2017年10月11日 10時) (レス) id: 3891798db5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しおんの蜂蜜 x他1人 | 作成日時:2017年10月9日 8時

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