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女神様と"自分"でかくれんぼ ページ46

風が吹き荒れる。木がざわめく。草が蹌踉めく。
泉に浸かり目を伏せていた女神様は、ふと顔を上げた。
「…あら、かくれんぼで私には勝てませんよ?」
にこっと優しげに楽しげに微笑んでから、ある一本の木に指さした。
「悪魔さん」
その木の後ろにいた自分は、肩をピクリと動かしてしまった。やがて諦めをつけて木の後ろから出てきて、驚いている女神様に話しかけた。
「天使さん…!?」
「…ごめんね、悪魔じゃなくて」
僕は無理に笑ってみたけど、女神様にはお見通しだ。
「…色々知ったのですね。死神ですか?」
悩みも出来たでしょう?と女神様は泉の淵に手を叩く。座って、という意味だろうなと分かっていたけど、僕は立ったまま話した。
「僕ね、夢があるの」
「夢?」
あれからずーっと考えた。僕の夢、何だろうって。何がしたいって。見つけたのはいつもと変わらない物。けど、素敵な者。
「みんなと、ずっと一緒にいたい。ずっと、ずーっと。…来世も」
言ってから、これは我儘だと思った。無茶振りを言って女神様を困らせてしまったなとも思った。けど、女神様は優しく笑った。
「天使さんの夢…素敵ですね」
そして女神様は泉に沈み、何か厚い本を持ってきた。
「ここに載ってる…あった、これです」
女神様の本を見てると、"来世会える術"と書かれたページが出てくる。
「ホントに…そんなことが出来るの?」
来世も会える、そんな奇跡が起こる術…?
女神様はまた微笑んで、
「出来ますよ。夢は叶いますから」
と言ってくれた。
嬉しかった。涙が出た。
幸せが近づいてきたような気がした。
「めっがみさまー!」
空から声が聞こえる。こちらに飛んできたのは、悪魔だった。
ニヤニヤと笑っていたけど、僕を見た瞬間にスピードを落として顔を顰めた。
「…誰?」
「女神様の天使だよ。女神様の言う悪魔さん、って貴方のこと?」
僕はなるべく優しく声をかけた。と、徐々に彼の警戒は解けていくように思えた。
「あぁ、多分」
…この人、いい人だろうな。さっきの術が本当なら、女神様と落葉と椴とイチ…この悪魔も。みんなで会いたいな、と思った。
「…天使さん、悪魔さんも貴方の夢に入れてくれませんか?」
女神様が心を読むように話しかけてくれ、僕は声を出さずに頷いた。
「…何か分かんねぇけど、楽しそうじゃん!」
悪魔も賛成のようだ。嬉しい。
「あ!僕、落葉と椴とイチに言ってくる!」
僕はテンションが上がったまま、翼を広げて街に向かった。
二人とも笑ってた。

そして僕は夢か、それとも何か悪いことが起きる前触れかというように→←イチに逆らった椴と運命に逆らった死神と女神



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しおんの蜂蜜 - ありがとうございます!物理天使も精神天使も大切にしております…w (2017年10月11日 17時) (レス) id: 08bff9eebf (このIDを非表示/違反報告)
う〜たん - 天使がおるぅ…全員可愛い! (2017年10月11日 10時) (レス) id: 3891798db5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しおんの蜂蜜 x他1人 | 作成日時:2017年10月9日 8時

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