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イチに逆らった椴と運命に逆らった死神と女神 ページ45

「っ…だから、僕は逆らってない!僕は協会で、善き者のスパイ的なことをしてたんだよ!一応これも仕事に入るでしょ?ほら、だから僕は…」
「違うっ…!」
椴の声を遮り、イチが叫んだ。何か思いつめていることがあるように、拳を強く握り俯いている。
「…え?」
「俺は…もう、運命に流されない…!善き者とか悪き者とか、分けられているこの世界はおかしいじゃないか!」
確かに、そうかもしれない。二つに分かれているが、イチと僕と椴はこうして生き物として話している。敵、味方なんて物はこの空間には存在していない。
「でも、それは女神様が…」
運命。それも女神様の仕事だった。街、森、世界…女神様には多くの仕事があったけど、一番頑張ってたし悩んでたのは運命を決める仕事だった。
それを否定するのは、女神様の頑張りや辛さを否定しているような…そう僕思ったんだ。けど、イチは怒りを感じているようだ。
「女神様女神様って…
お前はお前自身を見てねぇだろ!」
「!」
「お前は確かに天使だ!女神を守る天使だ!でもお前は!…一つの命だ」
…もし、僕が女神様の元を離れたら…女神様は悲しんでくれるだろう。仕事しないって言っても一緒にいてくれるだろう。
そういう運命だから。そう思ってた。
もし僕が人間で、女神様を偶然見つけたら…きっと一緒にはいてくれないだろう。
「……」
「…知らないだろうけど、女神様には恋人がいるんだって」
イチの言葉が、グルグルと悩んでいた頭の中に入ってきた。
「えっ…!?」
「彼は運命を変えたよ。恋人は悪き者…悪魔だ」
女神様は…運命を変えれた。怖かったのかもしれない。けど、変えた。
僕も…僕にもそんな勇気が欲しい…。
「椴、協会の善き者って、あのクソのこと?」
「あぁ、うん。バカみたいで、侵入とかホント楽だったけどさ。…いい人だよね」
だからのーんびり過ごそうと思ってたのにな〜と笑いながら椴は軽く浮いている。イチも椴も女神様も悪魔も。運命を変えたんだ。
「…運命って…どうやって変えるの?」
イチは本人なりに結構目を見開いたけど、やがて少し微笑んで、
「天使の立場少し捨てて、何か自分の夢を叶えてみたら?」
と言い残して、頭を撫でた。そして椴と共に家に入っていく。そんな二人の背中を見て、僕は呆然と考える。
僕の夢…何だろう。

女神様と"自分"でかくれんぼ→←椴さんはフラグ回収やっぱ早いっすね



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しおんの蜂蜜 - ありがとうございます!物理天使も精神天使も大切にしております…w (2017年10月11日 17時) (レス) id: 08bff9eebf (このIDを非表示/違反報告)
う〜たん - 天使がおるぅ…全員可愛い! (2017年10月11日 10時) (レス) id: 3891798db5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しおんの蜂蜜 x他1人 | 作成日時:2017年10月9日 8時

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