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椴に似たウザい少年 ページ15

「…ジャーン!」
視界が良くなると、ヨンが両手を上げて喜んでいた。
フードをまた被っていて、少し残念。
ここは…教会の屋根の上のようだ。大きな十字架が目の前にあり、これは街でも目立つと思った。
「どーも。…しかし綺麗な星」
イチは屋根の端をわざわざ通りながら上を見上げていた。
落ちる…!
少し冷や汗をかきながら見つめていると、後ろからヨンが肩を叩いた。
「ん?」
振り向くと、頬に指が刺さった。
「あー!騙されたー!」
笑いながらヨンは指をプニプニと刺す。
ニコニコと笑顔を出すヨンはいきなり、
「…さっき、見た?」
と呟いた。
口は笑っているものの、目とトーンが笑ってない。
「な、何を…?」
「…ん〜ん。じゃあいいや!」
作り笑いをしたヨンは、上を見上げてからイチに突進して行った。
「にーぃさーん!!」
「うわぁっ!落ちるっ!」
「あー!危機一髪だねー!」
…十字架のことだろうか…。



「そろそろ帰る?」
「あいっ!」
小一時間ほど空を見続けて、イチが言った。
少し身震いをし始めた俺を気遣ってくれたのかもしれない。
心の中で感謝をしながら最後の星空を見ようとすると、
「こーんばーんわー☆」
いつの間にか知らない少年が立っていて、鼻同士が当たった。
「ひぃやああああああああああ!!」
俺は変な叫び声をあげてしまい、彼はクスクスと笑う。
そんな彼は、昼にあった椴に似ていた。…こんな大きいわけ無かったけど。
「そこまで驚かせる気は無かったんだけどさ、ごめんね♡」
ずっとクスクス笑っている。…少しウザi…鬱陶しい。どっちも悪いけど。
「いいです…けど…」
俺は言うのが嫌だったから、どなたですか?みたいな顔をした。通じろと願ってみたけど、相手は…いやこれ絶対気づかないフリしてる!ウゼェこいつ!!
「どなたですかー!」
俺がイラついて叫ぶと、
「えー?誰だと思うー?」
とスマホを片手にニヤニヤしている。
ウッッッッッッッザァァァ!!!!
「ウザくてごめんね☆うるせぇんだよガキ♡」
「…へ?」
コイツ俺の心を読める系…!え、何、ヨンとイチみたいに術使える系?怖っ。
俺が頭でワーワー騒いでいると、相手はまたクスッと笑い、
「じゃーね!僕はよくここに来るからさ、会いに来たかったらおいでよ〜♡」
と可愛げに手を振ってきた。会いたくねーよと思いながら手を振り返すと、彼は屋根から落ちた。
「…え」
俺は、視界に彼の残像が消えるまで動けなかった。
バッと下を見たが、彼の姿はもう無かった。

筆者の喜びの舞(飛ばしてもらっても良いです)→←星空を見に行きたくなったらしい



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しおんの蜂蜜 - ありがとうございます!物理天使も精神天使も大切にしております…w (2017年10月11日 17時) (レス) id: 08bff9eebf (このIDを非表示/違反報告)
う〜たん - 天使がおるぅ…全員可愛い! (2017年10月11日 10時) (レス) id: 3891798db5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しおんの蜂蜜 x他1人 | 作成日時:2017年10月9日 8時

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