今日からイブ兄さん ページ11
「…よし」
イチのその声で俺はどれだけ安心しただろう。
「おー!兄さんの許しが出たら凄いよー!」
ヨンが隣で飛び跳ねながら俺の体を支える。
「あ…うん…」
…しんどかったぁぁぁ…!
何ぴょんぴょんしてんの!喜んでるけどヨンも鬼だったからな!何度倒れても起こしただろ!?怖ぇって何度思ったか!!鬼っ鬼ーっ!!
イチも!よし、じゃねーよ!何だよ何だよー!まだ一回も出来てねぇーよ!ていうか上から過ぎるだろ!まぁイチの方が断然凄いけどさー!
「じゃあとりあえず出来る?」
「テストテストー!」
「…了解」
最終テストって感じだ。
俺は今まで以上に緊張を感じながら深呼吸をする。
えっと…頑張らないと。
「…行きまーす」
「「はーい(!)」」
息を吸い、何度も唱えたあの呪文を口に出す。
「『hide their』っ!!」
頭の中のイメージが完全に見えた。
その瞬間、俺は風に包まれた。
強い風に目を閉じ、風が止むのを待つ。
止んだと同時に、拍手の音が聞こえだした。
目を開けると、イチとヨンが笑顔で俺を見ながら拍手をしていた。
「…どうも…?」
成功らしい。
いつもの結構鬱陶しい尻尾は消え、羽も生えていないようだ。…軽い。
ふと鏡を見ると、角も牙も無い、本当の人間のようになっていた。
「…おぉ」
「スゲー!」
「思ったより凄いー」
イチの棒読みのセリフにも、今は感動出来る気がする。
正しく夢なら覚めないで、だ。
人間の姿に懐かしさを感じる。つまり俺は元々人間だったのか?まぁいいや。
「じゃあー今日から本格的な兄さんで!」
ヨンに言われて思い出した。
俺、兄さんって言われてたな。呼ばれたことなかったが、まだ本格的では無かったらしい。
「よろしくね、イブ兄さん!」
「イブ兄さん。…言いにくい」
感動と懐かしさが気持ち良かった。
調子に乗った俺は、うんと背伸びをしてから、
「なぁに?イチ、ヨン!」
と弟の名前を呼んだ。
「調子に乗らないでね兄さん!」
「あ、ハイすいません」
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しおんの蜂蜜 - ありがとうございます!物理天使も精神天使も大切にしております…w (2017年10月11日 17時) (レス) id: 08bff9eebf (このIDを非表示/違反報告)
う〜たん - 天使がおるぅ…全員可愛い! (2017年10月11日 10時) (レス) id: 3891798db5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しおんの蜂蜜 x他1人 | 作成日時:2017年10月9日 8時