36、血 ページ37
『百樹…百樹！！！』
走って彼女達に駆け寄りながら敵を蹴り倒していく。
「Aさんっ！！」
『どけっ！！』
駆け寄った私に振り向いたたけみっちを荒く退かせればドラケンと百樹が血を出して倒れていた。
百樹に触れると肩についた大量の血液が私の手を濡らした。
百「リュウガ…慌て…すぎ…」
『百樹っ！！話さなくていい！早く病院に行こう！』
そう言いながら自分の履いていたボンタンの裾を引きちぎり止血を行う。
ドラケンを見れば傷は浅いものの斬られた場所が悪く出血が酷くなってきている。
『たけみっち！ここから離れんで！救急車呼ぶ！ドラケンを運ぶで！』
「はっはい！！」
私は百樹を背負い、たけみっちはドラケンを背負った。
『雪っ！！指揮は瑠夏に任せる！！』
「はいよ！！」
瑠「百樹を頼んだよ総長！！」
ある程度察知をした2人が近くに来て敵を食い止めてくれていたため止血の間も私達に拳が降ってくることはなかった。
『11時までに終わらせろよ！おめぇら！！終わらせなかったら全員辞めさせるからな！！』
「「「はいっ！！」」」
その声を聞いた後、Aは急いでその場を離れた。
たけみっちに話を聞けばエマちゃんとヒナが救急車を呼んでくれていそうだ。
『意識保っとけよ。2人とも。』
祭りのせいでなかなか来ない救急車に苛立ちを覚える。
「おいおい。こんなところに死に損ないがいるぞ。」
顔を上げれば5人ほどの不良が立っていた。
『あ”ぁ？だれだてめぇら。』
「きよまさくんっ！？」
きよまさ？
“「きよまさ君が刃物を…！！」”
さっきたけみっちが言っていた言葉が頭に反響した。
『百樹を刺したのはお前らか…。』
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作者名：凛 | 作成日時：2021年9月24日 20時
