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可愛い。 ページ23

しばらく経って。
キドさんは看病に必要な色々の買い出しに行き、残り二名は何をしているのかまだ帰らない。
私が看ているしかない状況下で、不意にカノさんは目を覚ました。
「…あれ、ハヅキちゃん?何で?」
「カノさんが風邪を隠してたからです。でもってそのせいで私もそれを体感して、なおかつここであなたの看病をする羽目になってます」
「へえ…瞬間移動?」
「……はい?」
懇切丁寧に説明したというのに、返ってきたのは訳の分からない単語だった。
よくよく見ると瞳は微妙に焦点が合っておらず、どこか眠そうだ。起きた、というだけで頭はまだはっきりしていないのかもしれない。一応は病人だし、無理はさせない方がいいだろう。
「普通に歩いてきましたよ。いいから、もう寝てください」
「ハヅキちゃんって、アジトにいたっけ?」
「朝来たじゃないですか」
「うーん…?移住してきたの?」
「違いますって」
「そっかあ…いい天気だもんね」
ここでようやく気づいた。
今この人、酔っぱらいと同じだ。まともに答えていたらきりがない。
「はいはいそうですね。ほら、早く」
「でも、ハヅキちゃんもメカクシ団に入ってくれればいいのに」
「…そうですか」
どうしてこのタイミングで無下にしづらい話題を振ってくるんだ。軽く殺意すら覚える。
私の様子には気づかずへらりと笑って、だってさあ、と子供のような口調で続けていく。
「だってハヅキちゃんはさ?能力もあるし、正直使いこなせてないし。というか、勝手に発動してばっかりのくせに、すぐすねるし」
「喧嘩売ってます?」
「そんなの買えないよー…いつもつんってしてて澄ましてるのにすねたら子供みたいで可愛いし。つんってしてたら綺麗だし。時々変に抜けてて、可愛いし。妹ちゃんの事話してると目がキラキラしてて、やっぱり可愛いし」
「…は?」
ちょっと待て何て言ったこの人。
新手のからかい文句だろうか、いやでも今の状態でまともに考えられるものなのか?…もしかしてこれまでの支離滅裂な言葉も全部、
…。
病人云々?もう忘れた。早くこの人を何とかしないと私がパニックになる。何でってそれは、
…さあ?
「寝ぼけてるんですか」
「ええー、寝ぼけてないってば…だから、ハヅキちゃんは可愛いんだよ」
「寝ぼけてるんですね分かりました!」
「起きてるよー?」
団長、早く帰ってきてください。

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ユキ(プロフ) - 最終更新日から4年ちょっと過ぎてしまっていますが、この続きを書いて頂けませんか?どうかよろしくお願いいたします! (2022年2月19日 22時) (レス) id: 710a3a49b7 (このIDを非表示/違反報告)
霜奈(プロフ) - 酒牙亜さん» コメントありがとうございます!こんな…もはや『恋愛』なのか『サスペンス(?)』なのか分からないようなものなのに…本当にありがとうございます!頑張ります! (2017年9月4日 17時) (レス) id: 2732718bb3 (このIDを非表示/違反報告)
酒牙亜 - 更新頑張ってくださーい!待ってますから!(*´ω`*) (2017年9月4日 16時) (レス) id: d72b2da870 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霜奈 | 作成日時:2017年5月15日 15時

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