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説明。 ページ11

「はい、ここが僕らのアジト!」
ドアを開けて中に入り、リビングらしい空間でカノさんが手を広げる。とりあえず座って、と言われてしばらく待っていると、キドさんがグラスに入った紅茶、マリーさんがクッキーを持ってきた。
「…あの。皆さんの紅茶は?」
「ん?ああ…このマリーが今日、全員のカップを割ってしまってな。あったのが客用のこれひとつだったんだ。だから、気にしなくていい」
「うう、ごめんなさい…」
「買い物に出たからハヅキさんに会えたんすよ、マリー。ちょうど良かったっす!」
「いやいや、ちょうど良いも何もないよ?本当、セトはマリーに甘いんだから」
道中での会話でも思ったが、彼らはそれなりに…一般的に言う『友達』なんかよりもよほど、気のおけない関係であるらしい。
例えばそう、兄弟のような。
思いながら眺めていると、キドさんが真面目な顔で声をかけてきた。
「…ハヅキ。そろそろ本題に入りたいんだが」
本題…すなわち、私の有する能力について。
ここへ来るまでの間に、皆さんのそれについては簡単に聞いている。私のものは、一度落ち着いてからでいいんじゃないか、という事でまとまったのだ。
説明か。そういえば、誰にもした事がなかった。何と言えばいいのだろう。
「…心を、重ねる…みたいな?」
ふと言ってみた自分でも謎な言葉の意味を、彼らが理解できるはずもなく。クエスチョンマークを浮かべる面々へ、探り探りに言葉を連ねる。
「重ねるとか合体させるってイメージなんです。私が…意識した、誰か一人、もしくは不特定多数の人と私の心を、…一つにする、というか…」
「感情を共有する、ということか?」
「あ、そんな感じです。その結果、人の考えてる事とかが分かります」
こんな感じだろう。
まとめた私に、少しも崩れない笑顔のまま、カノさんが首を傾げた。
「セトのと、ほとんど同じってこと?」
「…まあ。違うところは、そうですね…」
さて、何と言おうか。

目を『交わす』能力。side・K→←同類。 side・H



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ユキ(プロフ) - 最終更新日から4年ちょっと過ぎてしまっていますが、この続きを書いて頂けませんか?どうかよろしくお願いいたします! (2022年2月19日 22時) (レス) id: 710a3a49b7 (このIDを非表示/違反報告)
霜奈(プロフ) - 酒牙亜さん» コメントありがとうございます!こんな…もはや『恋愛』なのか『サスペンス(?)』なのか分からないようなものなのに…本当にありがとうございます!頑張ります! (2017年9月4日 17時) (レス) id: 2732718bb3 (このIDを非表示/違反報告)
酒牙亜 - 更新頑張ってくださーい!待ってますから!(*´ω`*) (2017年9月4日 16時) (レス) id: d72b2da870 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霜奈 | 作成日時:2017年5月15日 15時

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