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第327夜 ページ7

ーAsideー



「あ、そういえば紅明さんは?

てっきり一緒かと思ったけど…」



ふとツクヨミの攻撃がシンドリアに向けて放たれた時のことを思い出した。



あの時の紅明さん救世主だったな…。



お礼を言いたかったんだけど。



「紅明なら先に帰った。

長くバルバッドを離れるわけにもいかないからな」



「明兄から伝言!

『私はあくまで紅玉を助けるために力を使っただけで、シンドリアのためではありませんので』

だってぇ」



「そ、そうなんだ…」



助けてもらったことに変わりはないけど…、でも残念。



思わず眉を落とすと、あぁそれと、と付け足すように紅炎は口を開いた。



「白龍とジュダルも早々にシンドリアを出て行ったぞ」



「えっ、そうなの?

二人にも助けてもらったのに…、てことは白瑛さんも!?」



そう尋ねると、紅炎は頷いた。



「そっか…、残念だけど仕方ないね」



思わず肩を落とした。



まぁ一生会えない、なんてことはないだろうし、その時にまたお礼を言おう。



「しかし、ジュダルがお前を助けたとは…意外だな」



先程の僕の呟きに対し、紅炎は顎のひげを弄りながらそう言った。



「だよね、しかも僕の堕転を止めてくれたんだよ…」



そういうと、紅覇も揃って理解不能というかのように眉を顰めた。



やっぱそんな反応になるか…。



アリババ達にジュダルがしたことは聞いてるし、確かに謎だよな。



…いや、きっと止めたつもりはないのかもしれない。



「さて、今度こそシンのとこに行ってくるよ。

二人は宴、楽しんでねー!」



手を振りながらそう言い残し、僕は二人の元を後にした。







「…炎兄、A行かせてよかったの?」



Aが去った後、それを見送る紅炎に紅覇がふと尋ねた。



「…どういう意味だ?」



「A、今からあいつのところ行くんでしょ。

止めなくていいのぉ?」



再び紅覇がそう尋ねると、紅炎は少し間を置いて口を開く。



「まぁ、親友のあいつが決めたことだからな。

本当は煌に連れて帰りたいが…、それはあいつがそれを望んだ時にすべきだからな」



少し不満そうに、そう言った。



(…なぁんだ、違うのか…。

こんな勝手なこと炎兄がするなんて、すんごい恋愛感情混じりなのかと思ってたけど…)



紅炎の言葉を聞いた紅覇が、そんなことを考えていたなど梅雨知らず。



実際紅炎がAに対して抱いている感情が本当はどちらなのか、誰も知る由もない。

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北狐(プロフ) - こたつさん» コメントありがとうございます!私のオリキャラ気に入っていただけたようで嬉しいです!笑 更新ペースはかなり遅いと思いますが、楽しんでいただければ幸いです…! (2022年2月10日 10時) (レス) id: 901e45cbed (このIDを非表示/違反報告)
こたつ - 私もシリーズ1から一気読みしました〜!!ストーリーはもちろんオリジナルキャラのみんなもとても大好きです(特にロロくんと陽炎くんめちゃめちゃどツボです)これからも主様のペースで、更新楽しみにしております! (2022年2月6日 1時) (レス) @page22 id: b04bd0b3fd (このIDを非表示/違反報告)
北狐(プロフ) - サオリさん» コメントありがとうございます!時間がなかなか作れず更新できなくて申し訳ないです…。でも楽しんでいただけるよう頑張ります! (2022年1月6日 14時) (レス) id: 901e45cbed (このIDを非表示/違反報告)
サオリ - 1つ目から一気読みしちゃいました!!面白いです!!更新が遅いとか関係ないです!!ずっと見てます!!応援していますので!! (2022年1月5日 7時) (レス) @page21 id: ee2ef4b0e7 (このIDを非表示/違反報告)
紅桜夢 - とっても面白かったです。 (2021年12月21日 16時) (レス) id: d6df4e3d64 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:北狐 | 作成日時:2021年7月11日 15時

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