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第341夜 ページ22

ーAsideー



「えっ、動き回って大丈夫なの?

ていうか動き回れるほど体元気なの!?」



僕は思わずツクヨミ様にそう叫んだ。



ツクヨミ様は、闇の金属器の後遺症の影響でずっと昏睡状態だったが、最近意識が戻った。



確かドゥニヤさんの時は、寝たきりというほどではないが、ずっと寝台の上で過ごしていた。



その上この人が使った闇の金属器は三つ。



レプリカだったとはいえ、ドゥニヤさんよりずっと体への負担は大きいはずなのに。



「ま、俺はタフな方だからな」



「…いや、タフかどうかとかそうゆう話じゃないと思うんだけど…」



へらっとそう言うツクヨミ様に思わず戸惑いながらそう答えた。



「で、風雅の剣術を習いたいのか?」



話を戻すようにそう尋ねるツクヨミ様。



「…あ、えっと、そうですね…。

風雅にいた頃もある程度は習いましたけど、実戦で役立つほどは教わりませんでしたから…」



あの頃は本当に体力なかったからなぁ、刀を振り回すだけですぐ疲れていたし…。



「…なるほどな。

それなら適任がいるじゃねぇか」



と言い、ツクヨミ様は自身を親指で指差した。



「…あ!」



そう言えばそうだ。



アラジンがソロモンの知恵で見せてくれた過去で、ツクヨミ様は風雅一の剣士だった。



確かに、今教われる人といえばツクヨミ様が適任だった。
…けど…。



「…なんだ、納得いかないって顔だな」



少し不満そうな顔でそう言うツクヨミ様。



「別に何も企んでねぇよ。

俺がお前に何かする理由もメリットもないしな」



それもそうだ。



何かするにしたって現在捕虜であるツクヨミ様の立場が悪くなるだけだ。



「ま、俺の一存で剣術を教えるわけにもいかないだろうからな。

取り敢えずシンドバッド王に相談してから決めればいいさ。

俺は暇だからいつでも歓迎だぜ、スパルタだけどな」



そう言いながら凄く意地悪な顔でニヤリと笑い、じゃ、といい手を振りながら立ち去った。



…なんか随分丸くなったな…。



いや、こっちが本来の姿なのかな。



にしても捕虜が王宮の中を我が物顔でうろうろしてるって…いいの?←

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北狐(プロフ) - こたつさん» コメントありがとうございます!私のオリキャラ気に入っていただけたようで嬉しいです!笑 更新ペースはかなり遅いと思いますが、楽しんでいただければ幸いです…! (2022年2月10日 10時) (レス) id: 901e45cbed (このIDを非表示/違反報告)
こたつ - 私もシリーズ1から一気読みしました〜!!ストーリーはもちろんオリジナルキャラのみんなもとても大好きです(特にロロくんと陽炎くんめちゃめちゃどツボです)これからも主様のペースで、更新楽しみにしております! (2022年2月6日 1時) (レス) @page22 id: b04bd0b3fd (このIDを非表示/違反報告)
北狐(プロフ) - サオリさん» コメントありがとうございます!時間がなかなか作れず更新できなくて申し訳ないです…。でも楽しんでいただけるよう頑張ります! (2022年1月6日 14時) (レス) id: 901e45cbed (このIDを非表示/違反報告)
サオリ - 1つ目から一気読みしちゃいました!!面白いです!!更新が遅いとか関係ないです!!ずっと見てます!!応援していますので!! (2022年1月5日 7時) (レス) @page21 id: ee2ef4b0e7 (このIDを非表示/違反報告)
紅桜夢 - とっても面白かったです。 (2021年12月21日 16時) (レス) id: d6df4e3d64 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:北狐 | 作成日時:2021年7月11日 15時

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