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番外編・2(不動視点) ページ12

ネオジャパン戦が終わり、さっさと自分の部屋へ戻る。


ただ単にここに留まる必要がない、というのもある。


だが”源田に絡まれそうな気がしたから”というのが1番の理由だ。


別に源田の事が嫌いだという訳ではないが…、


あいつのような”良い人”は俺の手には負えない。


というか、俺みたいな奴が関わっていい人種じゃねぇ。


とりあえず時間まで寝るか…とベッドに座るとドアをノックされる。


わざわざ俺の部屋を尋ねてくるのはAくらいしかいない。


寝るのを邪魔されたことに苛立ちつつドアを開ける…


「あ、不動!久しぶりだな!」


そこにはつい先程まで思考の中にいた奴がいた。


呆気に取られる俺の顔を見て少し申し訳なさそうに頬を掻く。


「あ…、急に部屋を尋ねてしまってすまない。」


そういうことじゃねーよ、とツッコんで追い出したく気持ちをぐっと堪える。


誰だよ俺の部屋を教えた奴。十中八九Aだろうが。


恐らくこいつの人の良さに絆されたのだろう。


「なに?試合に出されない俺に嫌がらせでもしに来た訳?」


俺の嫌味に真剣に首を振って反論をする


「そんな訳ないだろう!
俺はただ、純粋に不動と話したくて……、」


あーーー本当に馬鹿正直で素直な奴は苦手だ。


全てが俺の思う通りにいかない。ペースを乱される。


「…あっそ。優しいねェ幸次郎ちゃんは。
俺みたいなはみ出し者にも優しく出来てご立派。」


…こいつが近くにいると自分の中の毒がより際立って自己嫌悪に陥りそうになる。


「…真帝国の時にお前に指摘されたことを思い出しながら練習をしたんだ。
そのおかげでかなり上達することが出来た。」


その言葉を聞いた瞬間、思考が全て停止したような感覚に陥る。


は?こいつ俺に言われたこと逐一覚えてたのかよ。


マジで意味わかんねぇ。


本当に


「はぁ〜〜〜っ……。」


まとまらない思考が重いため息となって出る。


源田は不安そうな表情でこちらを見つめてきた。


「…そりゃ良かったデスね」


やっとの思いでそう伝えると、嬉しそうに笑みを浮かべる。


こいつのお人好しと鈍感ぶりは最早狂気だ。


「話済んだならさっさとどっか行ってくんない?」


「あ、あぁ!邪魔をしてしまってすまない、
明後日の試合も頑張ってくれ。」


冷たいあしらいにも一切動じず、


屈託のない笑顔を見せると軽く手を振り去っていった。

番外編・2.5(不動視点)→←9. 愛情?(源田視点)



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設定タグ:イナズマイレブン , 不動明王   
作品ジャンル:アニメ
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リリィ(プロフ) - Kariaさん» コメントありがとうございます、本当に嬉しくて何度も何度も読み返してはニヤニヤしてしまいました。とても励みになります! (2022年3月29日 1時) (レス) id: 5fb9ab7224 (このIDを非表示/違反報告)
Karia(プロフ) - この作品は、今までに見たイナイレの夢小説の中でもトップに入るぐらい好きです。素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます! (2022年3月26日 22時) (レス) @page5 id: 03658bccca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2022年3月22日 16時

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