検索窓
今日:6 hit、昨日:3 hit、合計:20,026 hit

ページ2

「そこで、なのです」

ぱんっ

掌を打ちあわせ、男は目を輝かせてフィッツジェラルドに詰め寄った

「あなたに、その少年を捕獲していただきたいのです」

「捕獲だと?」

「ええ」

フィッツジェラルドは怪訝な顔をして男を見た

男は楽しそうに笑っている

写真の少年には顔が整っていること以外にこれと言って特徴があるようには見えない

目の前の男と顔が似ている訳でもない

「その少年を捕獲することにご協力いただけるならば…私も人虎の捕獲に協力いたしましょう」

「協力協力というが、そんな痩せこけた身体でいったい何ができるんだ」

フィッツジェラルドは写真を机の上に投げ置くと、懐から一丁の拳銃を取り出し、銃口を男に向けた

「私は二重異能力者です」

「二重異能力者だと?」

「ええ それに……その少年の異能力 それこそが貴方方の仕事を優位に進めることが出来ると思うのですよ!」

男はニヤリと口角を上げた

「どうです?…あなたがたにとって、悪くない条件だと思うのですが」

フィッツジェラルドは顎に指を添え空を見つめる

取り引きの条件は決して悪いものではなかった

男も確信しているのだろう、ニヤニヤと笑みは未だ絶えず浮かんでいた

しばらくして、フィッツジェラルドは右手を差し出し、男と同じようにニヤリと口角を上げた

「取り引き成立だ」

男は恭しく頭を下げる

そして、伸ばされた手を握った

「ご協力、感謝致します」

「それで?お前が欲しているこの少年の名はなんだ?」

男はニンマリと、今までで1番の怪しい笑顔を浮かべ、ゆらりと口を開いた



「島崎藤村という少年です」



男は、写真を撫でながら そう言った

参拾玖行目→←序章ー或る男の思惑ー



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
202人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

名無し83958号(プロフ) - すっごく面白いです!更新を今か今かと待ち望んでます。頑張って下さい! (2020年4月28日 19時) (レス) id: 4a83a3e4ca (このIDを非表示/違反報告)
雨宮碧音(プロフ) - 虚さん» コメントありがとうございます!近々再び更新を再開する予定なので気長に待っていただければ幸いです! (2019年9月19日 18時) (レス) id: e732f79f93 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - え、なんこれドチャクソ好きです。更新頑張ってください! (2019年9月19日 17時) (レス) id: 7c0e52b0b9 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮碧音(プロフ) - クロッキーさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです…!頑張ります! (2019年5月27日 15時) (レス) id: e732f79f93 (このIDを非表示/違反報告)
クロッキー(プロフ) - めちゃくちゃ好きです………!更新頑張って下さい! (2019年5月27日 12時) (レス) id: 3248997e70 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雨宮碧音
作成日時:2018年9月21日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。