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観音坂独歩編 優しさの代償Ep1 said Heroine ページ4

あれは会社の忘年会での事だった


少し敷居の高い居酒屋を貸しきりにした飲み会だ
最初は課長もいるという事で皆遠慮しがちだったが酒の力もあって30分もすればドンチャン騒ぎと化した


私は同僚の女友達と話していた時視界の隅で何かを捉えた

誰かが部屋の隅で倒れてる

私の位置からは見れない
私は友達に断りを入れ、そっと近づく

そこには真っ青な顔で丸まって寝転がる
観音坂さんがいた


きっと酒と人に酔ってしまったんだ



『観音坂さん、観音坂さん。』
「うぅ、ん、すみ、ません。まだ、仕事が、残ってて…、すみませ、ん…。う、書類、期限、」
『ゆ、夢の中でまで仕事してる…。』





「ん…。」
『あ、起きましたか?』
「あれ、俺…?」
観音坂さんは目をぱちくりさせて私を見る

自分の体勢に気づいたのかどんどん顔が赤くなる
そう、所謂膝枕をしていたのだ


「おわっ、ぅえっ!?珠久里さん!?」
ばっ、と飛び起きた観音坂さんだが足がふらついて私の太股に顔からダイブする

『っ!?か、観音坂さん!?大丈夫ですか!?鼻ぶつけませんでしたか!?』
「!?!?」

観音坂さんはむくっと起きて

「く…、」
『?』


「首吊って詫びます…。」
『え…。』





『ふふ、観音坂さんでも冗談言うんですね。』
「いや、冗談じゃなくて…。嗚呼、こんな俺の為に気を遣わせた…。すみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみません…。やっぱり俺なんかが忘年会に来るんじゃ…。皆が酔ってるのは俺のせい、皆が二日酔いになるのも俺のせい…。」
『酔うのは自己管理がきちんと出来てないだけ。観音坂さんは関係ありません。』

なんて被害妄想が激しい人なんだ…


私と観音坂さんは帰路についていた

体調の悪そうな観音坂さんが少し心配で
私も駅まで一緒に帰る事にした

『この調子なら終電までには駅に着きそうですね。』
「す、すみません、俺のせいで珠久里さんも帰るのでしょう?本当にすみません…。」
『私もそろそろ帰ろうとしていたので。気にしないで下さい。』
観音坂さんが安心してくれるよう笑いながら言う

「あ、ありがとうございます。」
にへらと目尻を下げて笑う観音坂さんはなんと言うか

『…観音坂さんはやっぱり笑ってた方が良いですね。』
「え!?ふ、不快にさせました!?すみませんすみませんすみません!」
『じゃあ、そういう事で良いですよ。』
「えぇ!?(き、嫌われた…!)」
夜で良かった

私の火照った顔を今は見られずに済むから

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おこめ(プロフ) - 犬田さん» コメントありがとうございます!ほわぁっ!?こんな駄作を面白いと評価していただいてありがとうございます!ご期待に添えるよう頑張ります! (2019年12月11日 7時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - タイトル見てすっ飛んできました。新鮮なお話でめっちゃ面白いです~!これからの展開が物凄く気になります。更新応援してます! (2019年12月10日 23時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - 猫腹さん» コメントありがとうございます!凄く励みになります!頑張りまぁっす!! (2019年12月7日 20時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
猫腹(プロフ) - 初コメ失礼します。凄く好きです、頑張ってください (2019年12月7日 19時) (レス) id: 437f4e7ef6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おこめ | 作成日時:2019年12月5日 23時

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