噂 ページ13
《衣更side》
「あぁもう、すみません！行くぞ凜月！」
首の後ろを掴んだまま、ずるずると引き摺るように、小会議室を退出した。
完全に扉が閉まる音が聞こえた。
──あぁぁ、何だあのイケメン……！
優しそうな銀の瞳。
深い闇を宿す黒の瞳。
青海先輩に、とても似ていた。恐らく兄弟。
一瞬だけ、キチ先輩と呼ばれる彼以上に艶やかで危険な雰囲気を感じた。
大人の色気と言うのだろうか。
一見清潔そうに見えてピアスをしているところや、流し目なんかで、そう見えただけかもしれないが。
立ち止まって、片手で口元を覆う。
顔が徐々に熱くなっていくのを感じた。
そんな俺の動揺を見てか、凜月が俺で楽しんでいるように笑みをたたえ、
「ま〜くんも好きそうな人だな、と思って呼んだ」
先程の質問の返答が今更返ってきた。
ああ！案の定タイプだったよ！
「青海ジゼルさん。スクールカウンセラーなんだって」
「へ、へえ、アイドル科にも設置されたんだな」
心のざわめきをどうにか押し込めた。
少し歩いて冷静さを徐々に取り戻したところで、これで副会長の胃痛も少しは治まるだろうか、なんて事を曖昧に考えて、2-B教室の扉を引いた。
「ねえ、コーギー。さっきイケメン見た」
教室へ入るや否や、凜月が机に突っ伏して寝ている大神に覆い被さり耳元で囁いた。
その気配に驚いて飛び起きる。
「痛……顎打った……」
「……んあ？テメ〜が俺様に体重かけてっから悪ぃんだろ！」
寝起きと凜月のせいで、凄い剣幕だ。
朝からそんな顔すんなって。
「やだ、今イケメン見たって言ったかしら」
鳴上は良い耳を持っているらしい。
恋する乙女のように頬に手を添え、首を傾げる。
「その話、詳しく教えてちょうだい」
胸の高さで手を組んで、目を爛々とさせている。よほど興味があるようだ。
「うん。さっき小会議室で……」
凜月が話し始める。
ついさっきまで賑やかだった教室が、やや大人しくなる。みんなして彼の話を聞きたいのか？
凜月が、「目はオッドアイで」と話したところで、影片が興味ありげにこちらをちらちら見だした。伏見は普段と何も変わらない様子で次の授業の準備をしていたが、意外と全文聞いていたのかもしれない。
「本当に？是非会ってみたいわぁ」
「は、カウンセラーとかいまいち信用ならねぇけどな」
そう憎まれ口を叩く大神がスマホを弄りだす。
「あ？んだこれ……」
夢ノ咲アイドル科裏掲示板
088 ……
089【速報】イケメンカウンセラーあらわる
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流離いのsecret(プロフ) - ぎゃぁぁ本当だ……！ご指摘ありがとうございます！ 細かいところまで読んでいただき嬉しいばかりです笑 (今後気を付けます笑) (2019年7月13日 22時) (
レス) id: 451ca50573 (このIDを非表示/違反報告)
しか - ごめんなさい。｢混沌｣でした!! (2019年7月13日 21時) (レス) id: 3bc0209618 (このIDを非表示/違反報告)
しか - ｢悩み｣の話の｢敬人｣が｢敬斗｣になってますよ（コソッ面白かったです。これからも頑張ってください！ (2019年7月13日 20時) (レス) id: 3bc0209618 (このIDを非表示/違反報告)
流離いのsecret(プロフ) - ありがとうございます！頑張ります！(語彙力ない)笑 (2019年6月24日 14時) (レス) id: 451ca50573 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 面白いです(語彙力ない) (2019年6月23日 21時) (レス) id: 19c16fa711 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流離いのsecret | 作成日時：2019年5月2日 14時
