9.痴態 ページ10
「おはよっ…てどうしたのそれ…?!」
「あぁ…おはよう…妹の所為で変な話に付き合わされたの」
「た、大変だね…」
南弥ちゃん。笑ってくれたけど、完全にドン引きしてた。
相当酷いやつれっぷりだったのだから。
「さら、凄く変態だからどうにかしなぎゃっ!!!」
ぐっと両手を握り締めると、足が滑った。
廊下の何も無い所でつまずいて大転倒。またまた華麗なスライディングを決めた。
「いった…」
「だだだ大丈夫?!」
「大丈夫…これくらい慣れてるからっ!?!」
「何そんなびっくりしてんのさ」
前を向いたらあらびっくり。成宮くんがしゃがんで私を見ていた。その距離30センチ。
「な、成宮くん…なんで此処に…」
「丁度目の前に居たからさっ。それにしても一ノ瀬サンって面白いね〜!綺麗にすらいで」
「あああ忘れて!今のは忘れて?!」
「やだっ」
バチン、とおでこにデコピンを喰らう。痛い。
「いっ…?!」
「もう忘れらんないかもね」
成宮くんは、いたずらっぽく笑った。後ろで「ドンマイ…」と哀れみの込められた声も聞こえた。
「忘れてってばああああ!」
ー
昼間の教室にて。
朝の一件の所為で、私のテンションは恐ろしくカオスであった。
「茹でだこ」
「だってあんな痴態晒したから、成宮くんだってドン引きして…」
何より、あの成宮くんの記憶に半永久的にあの痴態が残ってしまう。
考えただけで切腹したくなる。
「うわああ…」
「の割には原稿が恐ろしいスピードで出来上がっていってるけど…」
「なんかぽんぽんフレーズが浮かんでくるんだよおお…」
「そうか…あ、トイレ行ってくるね」
南弥ちゃんが教室を出るのを見届けて、さあ書こうとした。
なのに、机の上にあったはずの原稿がない。
「これ小説?一ノ瀬サンがいつも書いてるの」
「えっ?!」
声のした方向には、原稿をつまみ上げて拝見する成宮くんが。
「か、返してよっ」
「やーだね」
手を伸ばしたら、ひらりとかわされた。
「ふむふむ…なんかすっごく面白そうだね…。これ…恋愛小説?」
「そんな大きい声で言わないでって!!」
「うおっ?!」
恥ずかしくて、勢いのままに原稿を奪い取った。恥ずかし過ぎる。
帰ってきた南弥ちゃんにまた、顔赤いと言われたのだった。
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希望(プロフ) - コジパンさん» ありがとうございます、全く更新出来てなくてごめんなさい|ω・`) (2015年7月1日 16時) (レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
コジパン - 頑張ってください (2015年7月1日 6時) (レス) id: abdad3be03 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - コジパンさん» ありがとうございます!ちゃんと鳴ちゃんおちなので大丈夫ですよ!物語の展開はここからです(´∀`*) (2015年5月3日 18時) (レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
コジパン - え・・・鳴違う子の方にいっちゃうの↓ すいません鳴大好きなものでして、いつも楽しみにしています! 続き楽しみです。頑張ってください! (2015年5月3日 18時) (レス) id: abdad3be03 (このIDを非表示/違反報告)
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