7.夕景 ページ8
沈む太陽は、キラキラとオレンジ色の光を放っている。
これを文字で表現するとしたら、どんな感じになるんだろうと呑気に考えていた。
「なんか…申し訳ないよ」
「力仕事は苦手じゃないので…！」
強がりみたいなのを言って、私をおぶってくれる。1人で歩けるんだけどな…？
「いや、でもさ…荷物くらい自分で持つよ」
「ダメです。無理したらダメなんです」
「う、うん…じゃあお願いします」
黒柳さんの背中に身を預けて、ぼんやりと夕日を見る。相変わらずオレンジ色がとても綺麗。
「あの、さ…」
「？ 何ですか？」
沈黙が続くのが嫌で黒柳さんに話しかけたのだが、良い話題が見つからない。
私のあまり優秀でない脳を最大限に使って、何を言おうか考えた。
考えた結果がこれである。
「なんでさ…私の事、送ってくれるって言ってくれたの？」
京華ちゃんは黙り込んでしまった。やっぱり、聞いたらまずい事なのかな。
でも多分そうじゃないよね。気分を害する事じゃないよね。
「…当たり前の事だから」
「あたりまえ？」
「人として、当たり前の事だから…」
ただ心配だからっていう理由だけじゃなかった。その優しさが、何だか嬉しく感じた。
黒柳さんは優しい子なんだ。でもちょっと不器用で、上手く伝えられない。
「あっ、ここを左」
「分かりました」
静かな道を進んでいくと、いよいよ我が家が見えてきた。２階建ての、ごく普通の一軒家。
家に到着すると、黒柳さんは私をゆっくりと降ろしてくれた。
「ありがとう……京華、ちゃん…」
照れくささでいっぱいになる。
それはそうだ。何せ下の名前で呼ぶ相手なんて、妹か南弥ちゃんしか居なかったのだから。
「いえ。お礼なんて勿体無いくらいです…」
京華ちゃんははにかんだ。この子、微笑んだらもっと綺麗だな。
なんて思っていたのも束の間。突然家から妹が出てきて、一瞬で感動が飛んでいった。
「おおっおお？！あ、あ、イケメンですか？！」
「え"」
「うちの姉貴が御迷惑をかけたようで…」
「あ、はぁ…」
「や、やめてよさらっ…！京華…ちゃん、今日は本当にありがとね…」
バターンとドアを閉じる。
再びドアを開けようとするさらを引っ張って、リビングに帰した。
「あっあの人の名前訊いてない…！ドア開けて…！！」
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希望(プロフ) - コジパンさん» ありがとうございます、全く更新出来てなくてごめんなさい|ω･`) (2015年7月1日 16時) (
レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
コジパン - 頑張ってください (2015年7月1日 6時) (レス) id: abdad3be03 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - コジパンさん» ありがとうございます！ちゃんと鳴ちゃんおちなので大丈夫ですよ！物語の展開はここからです(´∀｀*) (2015年5月3日 18時) (レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
コジパン - え・・・鳴違う子の方にいっちゃうの↓ すいません鳴大好きなものでして、いつも楽しみにしています！ 続き楽しみです。頑張ってください！ (2015年5月3日 18時) (レス) id: abdad3be03 (このIDを非表示/違反報告)
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