30.油断 ページ31
バレー部の子によると、相手の1年生チームには、バレー部が1人だけだという。
だけど、私達のチームに居るのはエース。
勝利は確実だろうと、その時は不覚にも油断していた。
順風満帆に行けばの話なら。
味方コートの中央に集まって、軽い作戦会議をする。
エースが軸となって動き、出来る限り全員がボールに触れられるように、という内容のものだった。
皆で「勝とうね」と言って、静かながらも闘志を燃やしていた。
相手の1年生達が、コートの中に入ってきた。
「…あ」
『彼女』を見つけた瞬間、私は間抜けな声を漏らしてしまった。
まさか初戦で当たるなんて思ってもみなかったし、そこまで考えていなかった。
そこには、前髪をご丁寧にピンで留めた京華ちゃんが居た。
私に気が付くと、軽く会釈をした。
「あ、あの子…あの時の子だ〜」
「京華ちゃんじゃん…」
エースはのんびりとした口調で、前髪上げてる〜と言う。
京華ちゃんの方のチームは、バレー部が1人だけ。
「京華ちゃんって言うんだ〜。あの子、あの時から思ってたけどぺちゃパイだね〜！驚きの絶壁」
「ちょ…！」
エースが後先考えずに言った言葉が、本人の耳に届いてしまったらしい。
刹那、空気が凍てつく。
これ、明らかにやばいと悟った私は、必死にエースの発言を撤回しようとした。
「余裕勝ち出来るよこれ〜」
しかし私の努力は虚しく散り、彼女はとどめの一言をぶち込んでしまった。
京華ちゃんの表情が見えなくなり、相手のバレー部の子の青筋が僅かに立った。
やばいと本能的に感じ、恐る恐る京華ちゃんの様子を伺った。
暫くバレー部の子と話していたであろう京華ちゃんが、再び前を向いた。
微笑んでいた。いや、訂正しよう。
バレー部の子と共に、どす黒い笑みを湛えていた。
その子と並んで立っているため、余計に京華ちゃんの貧乳っぷりが際立つ。
そこまで考えて、いやいや！と頭を振った。
私も若干貧乳という部類だ。
そもそも、バレー部全体が巨乳なだけだ。
私に罪はない！
エースはやっと状況を理解できたのか、「やば」といった表情をしている。
事の重大さに気が付いたようだ。
今ここで前言撤回したとしても、許されはしないだろう。
バレー部の子が、短いポニーテールを揺らしながら囁いた。
無理やり笑顔を貼り付けて。
「先輩…覚悟してくださいね？」
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希望(プロフ) - コジパンさん» ありがとうございます、全く更新出来てなくてごめんなさい|ω･`) (2015年7月1日 16時) (
レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
コジパン - 頑張ってください (2015年7月1日 6時) (レス) id: abdad3be03 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - コジパンさん» ありがとうございます！ちゃんと鳴ちゃんおちなので大丈夫ですよ！物語の展開はここからです(´∀｀*) (2015年5月3日 18時) (レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
コジパン - え・・・鳴違う子の方にいっちゃうの↓ すいません鳴大好きなものでして、いつも楽しみにしています！ 続き楽しみです。頑張ってください！ (2015年5月3日 18時) (レス) id: abdad3be03 (このIDを非表示/違反報告)
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