29.球技 ページ30
その日以来、南弥ちゃんを怖いと感じる事は無くなった。
嘘みたいにいつも通りになっていた。
あの1日で起こった全てが、夢だったと錯覚してしまう程であった。
南弥ちゃんはいつも通り笑顔であり、全く陰のある様子はない。変わらず温厚だ。
期末テストが終わり、今日は球技大会が行われる。
女子はバレーボール、男子はサッカー。
更に男女混合で、アルティメットが行われる。
南弥ちゃんと成宮くんはアルティメットをチョイスし、私はバレーボールにした。
トーナメント方式であるこの球技大会では、負けたら直ぐに終わってしまう。
しかも球技大会が行われるのは3日間。
つまり初戦で敗退すれば、その後は恐ろしい程暇人になるという訳だ。
「って訳で、頑張ってね〜」
「いやちょっと待って。バレー部の部長なのに…そんな他人事なの？」
私が突っ込むと、バレー部の部長の子は、陽気に笑い出す。
とても余裕そうな表情で、トーナメント表を指さして言った。
「だってだって！相手は1年生だし、まず初戦で負ける訳ないじゃん？」
そうだよね〜、と周りの女子も言う。
噂によるとその子は、バレー部の部長でありエース的存在でもあるらしい。
だから負ける事はまずないと。
さらにそのせいなのか、私のクラスは優勝候補と言われているらしい。
「で？本当に勝てるの？」
椅子にどかりと座っている成宮くんが、ふんと鼻を鳴らして話に割り込んできた。
挑むかの表情で、部長の子を凝視している。
「勝てるよ。何なら賭けるよ！」
「へ〜。じゃあ負けちゃったら、俺にアイス奢ってよ」
相変わらず勝ち気な顔を…と思いながら、彼女の方を見た。
彼女の方もまた、自信に満ちた表情をしている。
「奢ってあげる。あきが」
「ちょっと待って？！なんで私？？」
「なんとなく」
…といった感じで、私が何故か奢ることとなったのだった。
財布を薄くされないためにも、勝たなければならない。
「…まぁ、頑張ろう」
前述した通り、私達にはエースという大きな存在がいる。
油断は禁物だが、順当にいけば優勝は間違いないのだろう。
バレーボールは上手い訳でもなく下手でもなく、本当に普通だ。
自分の出来る事は精一杯やって、財布を薄くするまいと心に決めた。
「それじゃあ、一ノ瀬さんとかも頑張ってねー 」
「あき、私達も頑張るから」
成宮くんと南弥ちゃんは、外へと歩いていった。
試合まで、あと数分。
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希望(プロフ) - コジパンさん» ありがとうございます、全く更新出来てなくてごめんなさい|ω･`) (2015年7月1日 16時) (
レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
コジパン - 頑張ってください (2015年7月1日 6時) (レス) id: abdad3be03 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - コジパンさん» ありがとうございます！ちゃんと鳴ちゃんおちなので大丈夫ですよ！物語の展開はここからです(´∀｀*) (2015年5月3日 18時) (レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
コジパン - え・・・鳴違う子の方にいっちゃうの↓ すいません鳴大好きなものでして、いつも楽しみにしています！ 続き楽しみです。頑張ってください！ (2015年5月3日 18時) (レス) id: abdad3be03 (このIDを非表示/違反報告)
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