21.美人 ページ22
翌日の朝は、クラスメイトからの
「髪切ったんだ!」という言葉が飛び交った。
その度に「まぁね…」と返していく。
この周りの人にいつも以上に見られているような感覚。
あまり慣れないし、好きになれない。
そう考えると、有名人は凄いなと思う。
1番最初に声を掛けてくれたのは、やっぱり南弥ちゃん。
「髪、切ったんだね。似合ってる」
「う、うん」
「あと〜…コンタクトになってるな?」
「よく気が付いたね…なんで直ぐに分かったの?」
私がそう訊くと、南弥ちゃんはさらりと言った。
「だって、あきの事毎日見てるから。ずうっと前からね」
「鋭いね…」
「どやっ☆」
中学からずっと一緒だった。そりゃあ直ぐに気づくか、と納得した。
「なんで突然…」
「…えっと…」
何か言葉を出そうとしたら、教室が突然ざわめきだす。
「見て…あの子超美人なんだけど」
「うわぁ…すげ」
「確かあれ…野球部のマネージャーの子だと。1年生の」
「お前、話しかけてみればぁ?」
「ちょっと待って、それは俺にとってはハードル高いのよォ…」
「つり目…美人。わりと背ェ高い…美人…美人…だけどぺちゃぱいか…」
「野球部のマネージャー」にピンと来て、反射的に振り返った。
そこには、ドアから顔だけ出した京華ちゃんが居た。
居心地の悪さを感じているのかな。まゆげがつり上がっている。
京華ちゃんは私と目が合うと、「ちょっと来て」と手招きをした。
ー
「突然…ごめんなさい」
「ううん。全然大丈夫」
「あとここじゃ居心地悪いんで、人気のない所で話をしていいですか」
「うん」
やっぱりあの空気が嫌だったみたい。さっきは凄く嫌そうな顔をしていたから。
人気のない所まで連れていかれると、京華ちゃんはくるりと私の方を向いた。
俯いている彼女のその表情は、分からない。
「あの…」
「一ノ瀬先輩」
「は、はいっ?!」
彼女が顔を上げた。
何かを堪えているような、震えている瞳。
何がなんだか分からない。
「あの…その…」
「どうしたの?」
「…その…」
何かを決意したかのように目を閉じて、京華ちゃんは言った。
「一ノ瀬先輩、私の所為でノイローゼになっちゃったんですか?!」
「……え?」
私の所為でノイローゼになっちゃったんですか?!(反響)
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希望(プロフ) - コジパンさん» ありがとうございます、全く更新出来てなくてごめんなさい|ω・`) (2015年7月1日 16時) (レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
コジパン - 頑張ってください (2015年7月1日 6時) (レス) id: abdad3be03 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - コジパンさん» ありがとうございます!ちゃんと鳴ちゃんおちなので大丈夫ですよ!物語の展開はここからです(´∀`*) (2015年5月3日 18時) (レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
コジパン - え・・・鳴違う子の方にいっちゃうの↓ すいません鳴大好きなものでして、いつも楽しみにしています! 続き楽しみです。頑張ってください! (2015年5月3日 18時) (レス) id: abdad3be03 (このIDを非表示/違反報告)
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