20.無念 ページ21
橙色に染まった空。今日も晴れてた…。
「ふぅ…」
「つーかれた!」
「ですね…」
小さく伸びをして、立ち上がった。
さて、あともうひと仕事頑張らなきゃ。
「一ノ瀬がノイローゼにかかったらしい」
「…?」
風が誰かの声を運んできたのだろうか。
そんな感じの嫌な感じの言葉が聞こえてきたような?
「一ノ瀬?」
「俺のクラスの子だよー。清楚系女子」
「へ〜そりゃ良さげな」
「どうもそれが、いろいろあって傷ついちゃったみたいで」
…傷ついた?
その声の主はこの学校の生徒のもので、それは確かだと分かった。
もしかして…。
「ひ、柊先輩!一ノ瀬先輩、何かありましたか?!」
「え、あき?知らないけど…」
そしてある1つの可能性に辿りついた。
「そんな…私…!」
ー
「なーにどうしたの?そんなに慌てちゃって」
「成宮先輩!一ノ瀬先輩と…同じクラスですよね…?」
「そうだけど?」
「あや…いや、何でもないです」
何でもないって言う京華。
何それ余計に気になってくるじゃん!
彼女の性格上、頑なに言おうとしないだろうな…。
「コイツの事だからどうせまた、一ノ瀬の事傷つけちゃったかも、だろ」
「う"…」
「分かり易いんだよな〜お嬢さんは」
カルロの「お嬢さん」という言葉に反応して、素直に顔を赤らめる京華。
「あらら、可愛いとこもあるじゃ…」
ガツっとパンチする乾いた音。
だけど残念、綺麗に止めちゃった。
「くっ…」
「もうやめろ。馬鹿らしいから」
「…」
白い腕はそっと元に戻った。
白河の説得力ってどんだけ凄いの。
やっぱり京華があれだから?
「でさ、一ノ瀬さんがどうかしたの?」
「そうだそれ。さっきもあたしに何か訊こうとしてたけど…」
「俺、それ知りたい。なんだか知らなくちゃいけないような気がするんだよね」
そう言うと京華は、固く締めた唇を開いた。
「…一ノ瀬先輩が…ノイローゼになったって、通りすがりの知らない人が…」
「…は?」
「本当です!本当に言ってたんです!!」
「それは疑ってはねェけど…ノイローゼ?」
「でもなんか、前はちょっと元気なさそうだったな…」
なんでだろう。
なんでか分からないけれども、彼女の事がとても心配になって来た。
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希望(プロフ) - コジパンさん» ありがとうございます、全く更新出来てなくてごめんなさい|ω・`) (2015年7月1日 16時) (レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
コジパン - 頑張ってください (2015年7月1日 6時) (レス) id: abdad3be03 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - コジパンさん» ありがとうございます!ちゃんと鳴ちゃんおちなので大丈夫ですよ!物語の展開はここからです(´∀`*) (2015年5月3日 18時) (レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
コジパン - え・・・鳴違う子の方にいっちゃうの↓ すいません鳴大好きなものでして、いつも楽しみにしています! 続き楽しみです。頑張ってください! (2015年5月3日 18時) (レス) id: abdad3be03 (このIDを非表示/違反報告)
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