やっぱりヒロインはゴリラに限る 五 ページ7
「つくづく情けねー男だよ俺は。最強だなんだと言われたところでよォ、なーんにも護れやしねー」
娘を取り込む核の上で、星海坊主は嘆きを口にした。
「家族一つ……娘一人護れやしねーんだなァ俺って奴はよォ。おまけに……娘が大事にしてるモン壊そうとして、そいつの力を借りて護られちまってる」
星海坊主はAへ目を向け、前に視線を戻して番傘を構えた。
そんな彼を見て銀時は一つ息をつき、ククッと笑った。
「これだからよォ、世の中の親父は娘に煙たがられるのかねェ」
銀時は核にある穴を見ながら続ける。
「お父さんよォ。
銀時は木刀を手に持ち、Aに目を向ける。
「あとA、お前が必要だ。手伝ってくれるか」
「……うん」
銀時が何をしようとしているのかAは察した。
自分が必要だと言われて不思議そうにするが、微笑んで了承した。
彼女が承諾したことに、提案した銀時も少し驚いていて。
銀時はAの手を引いてそばに来させる。
「おっさん、俺を信じろとは言わねー。だが」
銀時は片腕にAを抱き、
「
片手で洞爺湖を核の穴に突き刺した。
「!!お前、何を……」
穴の周りの触手が動き出し、銀時とAを中へ引きずり込んでいく。
「なっ……」
星海坊主が驚いているなか、巻き込まれて核に落ちるAは平静としていた。
核に入れば最悪、出てこれなくなるかも知れない。
「お前……よくついてくる気になったな。拒否しても良かったんだぞ」
銀時は沈みながら、横に抱くAを見て困ったように眉を垂らす。
「なに言ってるの」
Aはフッと笑って
「どこに行こうと、銀ちゃんが護ってくれるから。私はそばにいるの」
銀時の無茶な行動に彼女がついていくのは、ただ銀時を信頼しているからだった。
「……そーかい。ならその期待に応えて、傷一つ付けねーように頑張らないとな」
銀時は笑って言い、二人とも完全に核の中に呑まれていった。
(な、なんて真似しやがんだ……)
星海坊主は二人の行動に冷や汗を流した。
突然そばから破壊音が聞こえて彼は慌ててそちらを見る。
「!! お、お前……」
そこに現れた者を見て星海坊主は驚きの声をもらした。
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年10月2日 5時