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やっぱりヒロインはゴリラに限る 五 ページ7

「つくづく情けねー男だよ俺は。最強だなんだと言われたところでよォ、なーんにも護れやしねー」

 娘を取り込む核の上で、星海坊主は嘆きを口にした。

「家族一つ……娘一人護れやしねーんだなァ俺って奴はよォ。おまけに……娘が大事にしてるモン壊そうとして、そいつの力を借りて護られちまってる」

 星海坊主はAへ目を向け、前に視線を戻して番傘を構えた。
 そんな彼を見て銀時は一つ息をつき、ククッと笑った。

「これだからよォ、世の中の親父は娘に煙たがられるのかねェ」

 銀時は核にある穴を見ながら続ける。

「お父さんよォ。神楽(あいつ)がこんなモンで死ぬタマだと思ってんのかィ……五分だ。五分だけ時間を稼いでくれ」

 銀時は木刀を手に持ち、Aに目を向ける。

「あとA、お前が必要だ。手伝ってくれるか」
「……うん」

 銀時が何をしようとしているのかAは察した。
 自分が必要だと言われて不思議そうにするが、微笑んで了承した。
 彼女が承諾したことに、提案した銀時も少し驚いていて。
 銀時はAの手を引いてそばに来させる。

「おっさん、俺を信じろとは言わねー。だが」

 銀時は片腕にAを抱き、

神楽(あいつ)のことは信じてやってくれよ」

 片手で洞爺湖を核の穴に突き刺した。

「!!お前、何を……」

 穴の周りの触手が動き出し、銀時とAを中へ引きずり込んでいく。

「なっ……」

 星海坊主が驚いているなか、巻き込まれて核に落ちるAは平静としていた。
 核に入れば最悪、出てこれなくなるかも知れない。

「お前……よくついてくる気になったな。拒否しても良かったんだぞ」

 銀時は沈みながら、横に抱くAを見て困ったように眉を垂らす。

「なに言ってるの」

 Aはフッと笑って

「どこに行こうと、銀ちゃんが護ってくれるから。私はそばにいるの」

 銀時の無茶な行動に彼女がついていくのは、ただ銀時を信頼しているからだった。

「……そーかい。ならその期待に応えて、傷一つ付けねーように頑張らないとな」

 銀時は笑って言い、二人とも完全に核の中に呑まれていった。

(な、なんて真似しやがんだ……)

 星海坊主は二人の行動に冷や汗を流した。
 突然そばから破壊音が聞こえて彼は慌ててそちらを見る。

「!! お、お前……」

 そこに現れた者を見て星海坊主は驚きの声をもらした。

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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年10月2日 5時

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