人の恋路を邪魔する奴は星に代わってお仕置きよ 四 終 ページ22
「その方と重ねてしまって申し訳ないですが、本当に貴方様を好きになってしまったのございます!」
(ま、待て待て待て!!ええ!?ど……ええ!?)
Aは頑張って表情を維持していたが、内心ではかなりテンパっていた
「お、俺はその、なんか……あの、組織から追われる身ゆえ……さ、さらば!!」
「あっ!セーラーステラ13様ァ!」
謎の設定を付け加えて変な言い訳をして、Aは急いでその場から去っていった。
「オイオイ。娘がAちゃんに惚れちゃったよ。どーしてくれんの」
肩にタオルを巻いてシャツに着替えた片栗粉は近藤たちとベンチに座っていた。
結果的に全員が川に落ちたので皆シャツ姿になっている。
「てゆーか元からあの二人仲良かったでしょ。俺が仕事サボってAさんデート誘ったら、とっつぁんの娘さんと遊ぶ約束してるからって結構な回数断られてるんですぜィ」
「てめーは仕事サボって仲間ナンパしてんじゃねェよ」
「沖田ァ、あとで斬ってやるから精々、遊園地を楽しめよ」
土方は沖田の頭を思いっきりはたいた。
戦はデートしようとしたのを聞いて静かにキレていた。
「まあー、俺も栗子の気持ちには薄々気づいてはいたんだがなァ……しかし女同士かァ」
片栗粉はタバコを咥えながらベンチの背もたれにもたれて体を預ける。
「新しい世の中にはそういう考えもアリなんじゃないか、とっつぁん。まあセーラーステラ13で男と思われてるけど」
近藤は苦笑いする。
そういや、と沖田が声を上げた。
「肝心のAさんはどこいったんですかィ?」
「あー、それが……」
土方は少し離れたコーヒーカップのアトラクションに目をやる。
そこにはAがいて、コーヒーカップの真ん中のハンドルを思いっきり回して猛スピードで回転していて。
「うああああ!!」と赤面して叫びながら、アトラクションが終わって次の周回に回っても乗り続け何度もグルグルやっていた。
「惚れたって言われたのに照れてんのか、気持ちを飛ばそうとしてるっぽいぞ。物理的に」
『……』
沖田達は彼女の訳の分からない行動を見て言葉が出なくなった。
「……慣れてないんですねィ、ああいうの。Aさんなら何度も告白されてそうなのに」
沖田は回っているAを見て不思議そうに言う
「バカ言え。あんな魅力的な女だからこそ、誰もがその一歩を踏み出せねーんだろ」
お前も俺もな、と土方は小さくこぼしてタバコの煙を吐き出した。
好みが被ると余計な争い増えるから、頼むから違うものを好きになれ 一→←人の恋路を邪魔する奴は星に代わってお仕置きよ 三 ※挿絵あり
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年10月2日 5時