人の恋路を邪魔する奴は星に代わってお仕置きよ 一 ページ19
人々が楽しそうに遊び回る遊園地。
「全く何やってんだか……」
Aは、ライフルを構えて娘の彼氏を狙う松平片栗粉に呆れていた。
片栗粉は娘の栗子が彼氏とデートするというのを聞いて、彼氏を暗殺しようとしていた。
片栗粉の命令で土方達は仕事を休んで来たのだが、こんなことなら帰りたいと土方とAは思っていた。
対して沖田と近藤と戦は乗り気で。
一生追いつかないメリーゴーランドでライフルで狙ったり、沖田がジェットコースターで栗子の彼氏に脱糞させたりしていた。
それでも栗子は変わらずデートを楽しんでいる。
「つーか今さらだが……おめーは何で男装なんだよ」
土方は横に座るAを見る。
彼女は胸にサラシを巻いて、胸元が見えないデザインの男性用浴衣を着ていた。
ちょっと女性らしさのある色気を持っている、爽やかイケメンにしか見えない。
「だってなんかお兄ちゃんがこうしろって……」
「当たり前だ。こんなムサイ連中とAが並んで歩いてたら……デートだと勘違いされるだろうがァ!」
「過保護すぎだろテメー」
ギャーギャー騒ぐ戦に土方は呆れる。
「だってよー、ほらトイレ休憩とかでバラバラになったりするじゃん?そういう時に二人っきりになってみろよ。とっつぁんと局長は一緒にいてもパパかなってなるけどさー、お前らは……確実にデートじゃん!デートしてる男女じゃん!」
戦は土方と沖田、Aを見回して勝手に想像して勝手にキレた。
「土方さんは知らねーですけど俺は別に大丈夫じゃないですかィ?弟と姉的なアレで。ねェ、姉ちゃん」
「わっ、ちょ沖田君」
沖田はAの腕を引いて腕に抱きつくが、「てめー姉貴いるだろーが」と土方がキレる。
「沖田テメー何触ってんだよ!」
「今のAさんは男なんですから良いじゃないですかィ」
「良くねーわマセガキ!」
戦と沖田が取っ組み合いを始め離されたAを土方が見つめる。
「にしても逆効果だろコレ」
顔を引きつらせてタバコを咥えてボソッと呟いた。
遠巻きに若い女の子達がAを見て黄色い声を上げており、男性でも見惚れて立ち止まっている人たちがいる。
Aは男装することで逆に目立っていた。
「あ、あの……連絡先交換してもらえませんかっ」
十代の女の子が恥ずかしそうにしながらAに話しかけてきた。
「え?あ、うん。良いけど……」
連絡先を交換すると女の子は嬉しそうにして礼を言い離れていった。
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年10月2日 5時