星を想うロマンチストたちよ 一 ページ46
土方たちは話をするためにファミレスに来たのだが、
「何これマヨネーズに恨みでもあんの?」
銀時はマヨネーズで埋め尽くされたカツ丼を手に言う
土方いわく、カツ丼土方スペシャルらしい。
「諦めろ銀時、こいつァ脳内ニコチンとマヨに侵されてんだよ」
「脳筋のテメーにだけは言われたくねーよ」
戦の言葉に土方は青筋を浮かべる。
銀時は彼らを無視してチョコレートパフェを頼んでいた。
カツ丼土方スペシャルを食べた沖田が犬の餌と言っていて。
「何だコレ、奢ってやってるのにこの敗北感……まあいい、本筋の話をしよう」
土方は一つ咳払いをして本題に入る。
「総悟に色々吹き込まれたそうだが、アレ全部忘れてくれ。いずれ真選組が潰すが、まだ早ェ」
土方は既に全部掴んでいるのか、あの闘技場の正体を話した。
あそこは天導衆という、将軍を
廃寺の前の茂みの中で、神楽と新八は道信の監視をしていた。
「銀さんは真選組の人たちに取調べかなんかでどっか連れていかれたし……あれ?そういえばAさんは?」
「Aならさっき周り見てくるって離れていったネ」
「そっか。でも大丈夫かな、こんな所で単独行動して」
心配している新八たちの後ろに、いつの間にか道信が立っていて。
「スイマセン、背中がら空きですが」
「ギャアアア!!」
新八が驚き神楽は食べていたアンパンを喉に詰まらせた。
新八は茂みの中に、子供達の乗った馬車があるのに気づく。
「道信さんアナタ」
「このまま江戸を出るつもりです。君たちが私を張っていた目的は分かりませんが、見逃してほしい」
自分勝手なのは分かっているが、これ以上人を殺したくないと道信は本心をもらす。
「あの子たちに胸を張って――父親だと言える男になりたい」
「道信さん……」
二人が話していると、神楽が何かを察知して静かにするように合図した。
男たちが数人、廃寺に向かってきていた。
煉獄関の者たちだろう、新八たちは茂みに隠れる。
「早く行くヨロシ」
神楽は煉獄関を警戒して前を見ながらも、道信に伝えた。
「ウチのボスは目的も言わずにただアナタを見張っとけって。だから僕らも、好きにやります」
新八は道信の方を見て微笑む。
「何が正しいか分からないけど、銀さんならこうすると思うから」
「……すまない!」
道信は唇を噛み、礼を言って馬車へ向かった。
星を想うロマンチストたちよ 二→←鬼の前に降る流れ星 五 終
153人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年8月29日 18時