検索窓
今日:25 hit、昨日:19 hit、合計:29,650 hit

渇いた兎は星に願う 五 終 ページ29

「不思議だね。その鬼は見てる限り、普通なら制御できるはずのない力だと思うけど。君のソレ……目覚めさせてみたくなるよ」
「オイッッ!話を聞けこのすっとこどっこい!!それ以上その嬢ちゃんを刺激するな!……クソッ!」

 阿伏兎は神威を止めに入ろうとするが、二人の戦いで起こる風に後ろに押され近づくことさえできなかった

「本気を出しなよ。じゃないと……」

 神威が落ちていたクナイを踏んで飛ばし上げ手に持つ。
 そして月詠に目を向けて足を踏み込んだ

『!』

 神威が月詠の元に行く前に、Aが彼の前に来る。
 それを待っていたかのように、神威はフッと笑ってクナイを横に振るった

 鋭い刃がAの胸部の布を引き裂く

 その下の胸と、布に隠された六芒星があらわになった

「見つけた」

 にぃ、と神威の口が引き上がる

「止めろ団長ォォォ!!そいつは星び……」

 阿伏兎が言い終わる前に、神威は手元でクナイを逆手に持ち替えて下からAの呪印に突き刺した

 ドッという重く硬い音が鳴って、Aは体を突き上げられ目を見開く

『Aーー!!』

 銀時たちが叫び声を上げるが、Aの耳には入ってこなかった

 彼女の頭には、ただ心臓の鼓動がうるさくこだましていた

「あ……」

 体の奥から揺さぶられる感覚に襲われ、Aは神威を蹴り離す。

 何かが

 Aの奥に潜む何かが、声を上げていた

 それは体の芯中に(うごめ)き、徐々に()り上がってくる。

「かはっ!!」

 Aは呪印に刺さるクナイを抑え、吐血しながらその『何か』を押し込もうとした

 しかし封をこじ開けられた酒壺はヒビ割れ崩壊し、中にいる蛇を戻すことなど不可能だった

 否、それは蛇などではなくーー

 Aの心臓が一層強く跳ね、呪印から勢いよく紫の光が天に打ち上がった。

 紫の光線は雲を穿ち天を裂く

 雲もなく空には太陽が浮かんでいるのに、地上も地下も暗くよどみ始めた。
 禍々(まがまが)しい空気が漂い世界を支配した。

 Aの短い黒髪が徐々に伸びていき、腰まで下りる

 赤い瞳に光がなくなり、黒く濁っていった

「……小僧め。星人を解き放ちおって……いったいどう収集をつけるつもりだ」

 鳳仙はAの様子を見て眉を寄せる

「……凄いね。離れてるのに、殺気が伝わってくる。まだ何もされてないのに、自分は死んでいると錯覚させてくる殺気が」

 神威は冷や汗を流しながら笑っていた

穿つ鉄血、黒く錆びた星屑の破片 一→←渇いた兎は星に願う 四



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (44 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
85人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

刹那*桜(プロフ) - ひゅーまんさん» すみません!一回誤変換して全部そのまま変換し続けていましたね。全て修正いたしました!ありがとうございます! (4月8日 22時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
ひゅーまん - すみません 星海坊主の字間違えてますよ? (4月7日 20時) (レス) @page42 id: 5c08d5ef79 (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - 庵さん» ありがとうございます!!レギュラーのオリキャラを慕っていただけて何よりです! (2023年2月20日 2時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 戦くん好きすぎる!!!!お話の作り方がお上手で一気に読んでしまった!更新楽しみにしています(◍ ´꒳` ◍ (2023年2月17日 3時) (レス) @page49 id: 58741a08e8 (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - ハルマ(元Luma/瑶真)さん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて何よりです!( ´ ` *) (2023年2月13日 17時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年2月4日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。