天才少女の過去を知る者はいない.４

第185話 分析 ページ41

御幸side






クリス「桜、何か付け加えることはあるか？」




そうクリス先輩が言うと、視線は全て桜に移った。


当の本人は、何か言いたそうな顔をしていたか、この雰囲気にあの視線で、めちゃくちゃ言いにくいそうで困惑していた。





美雪「えっと……盗塁数が多いからと、ランナーに意識を向けるのは、相手の思うつぼだと思います。


積極的に動いてくると言っても、阻止できないことはないので、頭に入れておいてください。」





確かに、さっき見た中で、何回かアウトにできそうな場面あったな。



1年2人の牽制だけで黙ってくれそうにねぇもんな、あの打線は。








美雪「それから、薬師はミスが多いわけではありませんが、付け入る隙はあります。

そこを見逃さないよう、お願いします。


逆に、こちらの隙に付け入れられるときもあるので、気をつけてください。」







…………。



“隙”か……


主に投手陣にプレッシャーがかかるな………








美雪「バントしてこないチームだからといって、バントする可能性は無きにしも非ずです。

“もしも”ということもあります。
そのことを一応、意識しててください。



最後に、投手陣はマウンドでは、まず冷静に落ち着いてください。


野手陣は、投手陣へのサポートをお願いします。



以上、です…………」








………やっぱり、こいつの分析、クリス先輩並に細かく、的確だな。





おかげで、シュミレーションしやすくて助かるけど。






片岡「解散。」






その一言で各自が動きだす。


俺はクリス先輩に今日の薬師の試合のスコアを借りようと動いた。





御幸「クリス先輩、今日の試合のスコアお借りしてもいいですか？」



クリス「あぁ。薬師との試合はどう予想する？」






薬師との試合………



降谷、沢村、ノリに丹波さん。


この4人が薬師とどう対峙するか、か。






御幸「……あくまで予想、ですけど、1年投手2人は、薬師に振り回されるでしょうね。

ノリもそっちの傾向になりそうですし、丹波さんは、ギリギリまでわかりませんね。」




美雪「御幸先輩も、そう思いますか？」



クリス「おまえも、か？」



美雪「はい。」





そのうち、投手陣についての会議が始まり、随分と長く話していたらしい。



純さんに怒鳴られて中断するまで忘れていたが、このあと、全力ダッシュでグラウンドに向かった。

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