第181話 容赦ない ページ37
御幸side
丹波さんの一言で始まった、このシートバッティング形式の勝負。
今まで市大戦を目標に調整してきただけに、モチベーションが心配だったが、問題なさそうだ。
あとはボールの状態だけか、と思いながらミットを構える。
ただ、
伊佐敷「来いやぁ! 丹波ァ!
まずは、ノーアウト一塁からだ!! 」
ただ、な。
ギャッ
伊佐敷「バカヤロオォ!! 」
カァン
容赦なく走る倉持に、これまで以上にキレてる純さん。
そして、
結城「次はノーアウト1、3塁だな。」
試合中と全く変わらないオーラを放ち、打席に立つ哲さん。
この人達、マジで手加減を知らねぇ………
純さん、さっき沢村と降谷に、グッシャグシャのミンチにするだのなんだの言ってたけど、丹波さんまでするきなのか?
そう思うぐらい、マジだ。
チラッと見た沢村と降谷は、めちゃくちゃ冷や汗かいてた。
しかも、フリーズしている。
クリス先輩の言葉で1層酷くなったような……
「気ィつけろよ、丹波! そいつは容赦しねぇぞ!」
「丹波さん! ファ、ファイト!! 」
ヤベェな、これは………
とか思っていたら、
パカーン
綺麗に持っていかれてた。
スリーラン。
本当に容赦ねぇ。
けど、この人達以上に容赦ねぇやつがいる。
美雪「丹波さん、調子良さそうですか?」
こいつだ。
可愛らしい見た目とは裏腹に、野球が絡んだこととなると鬼と化す。
その恐ろしさは、これまで何回とも受けてきたノックで十分にわかっている。
御幸「さあ? それを見るのがお前の仕事だろ? 」
そう言うと、少しキョトンとこちらを見つめ、しばらくすると、子供のように笑った。
美雪「……そうですね。じゃあ、やりましょうか。」
視線を丹波さんの方に向け、打席に入った。
そして、俺は、さっきの発言に少し後悔した。
何かを確かめるように、何球もカットし続け、現在第15球目。
ノーアウト2、3塁、スリーボールツーストライク。
スっと、3塁ランナーに何かを指示した。
まさかとは思いたいが、
ダッ
「!? スクイズ!? 」
いや、違う!
バスターエンドランだ!
カキイィン
「右中間真っ二つ!? 」
………こいつ、本当に容赦ねぇ。
このグラウンドにいる、全員に。
42人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
愛っち - しろうさぎさん» ありがとうございます!!新人チーム編では、主人公が奥村達と合わせるのが楽しみです〜!! (2018年9月9日 9時) (レス) id: ebb19697f9 (このIDを非表示/違反報告)
しろうさぎ(プロフ) - リクエストありがとうございます! 5の続編に行く前に番外編で書かせて頂きます! 返信遅くなってm(_ _)m (2018年7月1日 9時) (レス) id: 92f43ae53d (このIDを非表示/違反報告)
愛っち - 薬師編では、1年トリオと主人公がこっそり見る場面をお願いします (2018年4月9日 8時) (レス) id: 0d64851062 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しろうさぎ | 作成日時:2017年4月22日 23時