第170話 考え事 ページ26
美雪side
空は晴れ、夏の到来を告げているよう。
そして、
伊佐敷「しゃぁ〜〜〜〜!! こいオラァ!!! 」
純さんの怒号に近い掛け声がよく響き渡る。
今日は何時にも増して気合い入ってる。
………まさか、あの事まだ怒ってたりして、
…………数時間前
結城「桜、今日のバッティングピッチャーに参加するのか? 」
美雪「おはようございます、哲さん。
申し訳ないですけど、テストが終わるまで参加を控えたいですけど、いいですか? 」
伊佐敷「何か? お前も赤点回避組か? 」
美雪「いえ、そういうわけじゃないですけど。
今、体が思ってたより回復していなくて、皆さんが満足するようなプレーができないんです。」
伊佐敷「んなもん気合で治せ、気合いで。」
美雪「………私、そこまで超人じゃありません。」
…………
その後、哲さんに許可を貰えたが、純さんと亮さんに散々言われた。
体力はある方とは思っていたけど、現役球児に適うわけがなかった。
昨日あたりは、10球相手したら既に息が上がっていた。
ますます気を張り詰めていくこの時期に、倒れたりして余計なことを増やしたくない。
そう判断して、せめてテストが終わるまで、練習の参加を控えることにした。
………自分勝手だな。
藤原「どうしたの? 」
美雪「あ、すみません。少し考え事を、」
藤原「どんな? 」
美雪「あ、えっと………」
間違っても、口が裂けても言えない。
貴子先輩達にも迷惑がかかる。
吉川「先輩!! 凄いですよ、校舎の方!
ブラスバンドとかチアとか、みんな練習してて……!!」
ナイスタイミング、春乃ちゃん!
確かに、金属音の合間に、ブラスバンド部の練習している音が聞こえる。
藤原「私達も負けてらんないよね。頑張ろう!」
貴子先輩……。
選手に精一杯、応援することしかできない。
けど、出来ることはしたい。
___同じ想いを持つ“仲間”は、ここにもいる。
美雪「春乃ちゃん、氷は? 」
梅本「そうだ! 取りに行ったんじゃないの!? 」
吉川「あぁ〜〜〜〜〜!! 行ってきます!! 」
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愛っち - しろうさぎさん» ありがとうございます!!新人チーム編では、主人公が奥村達と合わせるのが楽しみです〜!! (2018年9月9日 9時) (レス) id: ebb19697f9 (このIDを非表示/違反報告)
しろうさぎ(プロフ) - リクエストありがとうございます! 5の続編に行く前に番外編で書かせて頂きます! 返信遅くなってm(_ _)m (2018年7月1日 9時) (レス) id: 92f43ae53d (このIDを非表示/違反報告)
愛っち - 薬師編では、1年トリオと主人公がこっそり見る場面をお願いします (2018年4月9日 8時) (レス) id: 0d64851062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しろうさぎ | 作成日時:2017年4月22日 23時