天才少女の過去を知る者はいない.４

第160話 頼もしい先輩達 ページ16

美雪side





一死2塁。


ランナーがいるから、御幸先輩の打率はぐんと上がる。






御幸「１点もやるなってすごい指示ですね。

桐生って意外とおもしろいチームなんスね！」




「まあ、ウチはこれしか取り柄ないからな………


って、なんでやねん!!!
あの二人が特別なだけや!! 」




御幸「おお〜〜〜。本場のノリツッコミ！」




「やらすなアホ!! 」





………なんか、捕手同士の会話に花を咲かせているけど、



落ち着いてる、



びっくりするぐらい。






まあ、この場面。

あのバッテリーなら、どこのコースでも攻めてくる。


しかも、あの重い球。





今の状況なら、間違いなく御幸先輩は、








カッ








打ちにいく。






「きたぁ！ ライト線ギリギリ長打コース!! 」


「やっぱランナーいると違うぜアイツ!! 」





アウトコースの球を、思いっきり踏み込んでライトまで引っ張った。


相手の捕手は驚いてるでしょうね。






御幸「(やっぱ、力で押す投手は、力で弾き返さねーとな♪ )」





御幸先輩のプレーは、常に相手の意表を突く。


見てて凄く勉強になる。






1点返した。


さぁ、ここからだ！






…………



二死３塁、打者は沢村君。






沢村「おいしょ〜〜〜〜！」






…………。






「紙一重か〜〜〜〜!! 」






いやいや………。


だいぶ振り遅れてるよ……






この回も1点。

点差はまだ7点ある。



けど、大丈夫。


あのメンバーなら、









!!






桐生のバッター、ラインギリギリで構えた。



……もしかして、沢村君の球質に気づかれた？



だとしても、対応が早く、適切。



まるで、『多少詰まっても、外野までもっていけるだけのパワーが桐生にはある』とでも主張している。





やっぱり、怖いチーム。



ますます甘いコースには投げれない。







沢村「らっ 」






！


逆球、叩かれる！








カッ






ドスッ







増子先輩……！





……アウトにしたけど、あの強烈な打球を体で止めた。



相当痛いはずなのに。





「全然平気そーだぞ！ 」





沢村君を不安にさせないように、だろうね。




本当に、頼もしい先輩達だな。






……けど、ここからクリーンナップ。


中途半端な攻めはこちらの命取り。





＿＿＿＿＿攻めていけ！

第161話 何がしたい？→←第159話 ピッチング

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す