第157話 最終試験 ページ13
御幸side
「ストライーク!! 」
ど真ん中のストレートを見逃した。
監督の居るベンチへ視線を移すと、満足そうに笑っていた。
…………
片岡『御幸……』
昨晩、ミーティング終了直後、監督に呼び止められた。
片岡『明日の試合、沢村のリードはお前に任せるぞ。
ムービングの弱点は、ミートポイントの広い金属バットだ……
パワー打線が自慢の桐生なら、沢村の力を計るのにもってこいの相手となるだろう。
甘い球を狙われようがかまわん。
とにかく相手に手を出させるんだ。』
御幸『ははっ それ、逆に難しいっスね。
………けど、もしそれが桐生に通用すれば、』
片岡『そういうことだ。
明日の登板内容しだいで、この夏、あいつを使うかどうか判断する____』
……………
おいおい、ストライク取れたぐらいで喜んでいる場合じゃねーぞ。
これは、おまえの1軍最終試験なんだからな……
ガコッ
沢村「おっしゃあ! 打ち取ったり〜〜〜〜!!」
ドッ
沢村「(え?)」
振り遅れただろうけど、甘い。
ボールが高い。
甘いコースだと力で持っていかれるぜ。
まぁ、それはさておき。
クリス先輩に叩き込まれてたろ?
いい機会だからやってみろよ。
沢村「ワハハハ! 引っかかったな〜〜〜!!」
………。
「クリス先輩直伝の1塁牽制だぁ!!」とか叫んでるけど、
「ボーク!!! 」
はっはっはっ
期待を裏切らねーやつ。
御幸「沢村! 切り替えろ、バッター集中でいくぞ!! 」
そう言って、構える。
沢村「(またインコース!? )」
甘いコースは力で全部持っていかれるからな。
インコース低め、ここに投げてみろ。
パァン
………肝座ってるっていうか、なんと言うか……
相手の顔面スレスレに投げ込んだのに、動揺してねぇ。
それぐらいの図太さが丁度いいかもな。
クリス「(御幸のやつ、徹底してインコース攻めか。
ただでさえ投げ込むのに勇気のいる場所。
コントロールの安定しない沢村にとっては、二重のプレッシャーがかかるコースだな。)」
ガッ
まだ甘い!
「無死1、3塁!」
このままズルズルと得点を許すか、それとも踏ん張りきるか。
まさに、お前の真価が問われる場面だな。
さあ、こい!
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愛っち - しろうさぎさん» ありがとうございます!!新人チーム編では、主人公が奥村達と合わせるのが楽しみです〜!! (2018年9月9日 9時) (レス) id: ebb19697f9 (このIDを非表示/違反報告)
しろうさぎ(プロフ) - リクエストありがとうございます! 5の続編に行く前に番外編で書かせて頂きます! 返信遅くなってm(_ _)m (2018年7月1日 9時) (レス) id: 92f43ae53d (このIDを非表示/違反報告)
愛っち - 薬師編では、1年トリオと主人公がこっそり見る場面をお願いします (2018年4月9日 8時) (レス) id: 0d64851062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しろうさぎ | 作成日時:2017年4月22日 23時