天才少女の過去を知る者はいない.４

第155話 誤算 ページ11

美雪side






ドッ





全「 !!? 」





「ストレートが沈んだ!? 」

「わ、分からねぇ。」

「けど、御幸が後ろに逸らすなんて初めて見たぞ。」




辺りがざわつくのが、ここから見ていても分かった。





……気づいてますよね、御幸先輩。

あれだけのスピードが出ていながら、打者の手元で変化する。



あれは、フォークより、あの球に近い。





＿＿＿20世紀最後と言われた 魔球 SFF





流石に初見じゃ、きついのかな？



御幸「(あのヤロー、スッポ抜けが怖くて深く挟み込まなかったな。)」




大丈夫ですよ、単なる準備不足です。

まあ、これでいろいろと誤算がでてきただろうね。




特に、バッターのあの人……





に、しても。

思い切ったことを次々と。



いろいろとプラス方向の情報を得られるから、正直有難いですけど。




本当に、




クリス·美雪「(“練習試合”の意味をよくわかってる。)」





ドオン





＿＿＿＿流れが変わった、






あっちの監督も不意をつかれたでしょうね。


ここまで、変化されると。





ズドン




スリーアウト、チェンジか。


今までの中で１番いい。
まぁ、反省点はたくさんあるけど。



………確か、次の回から沢村君の登板だったよね。


１軍初登板だけど、変な緊張してないと……








カキーン







……あれ？






バスン







三振して動揺してるところに、自分で止め刺しに行ったよ。


打っても投げてもこれだと、味方からすれば心強い。




ここで何点か一気にもらえればな、とか考えるけど、そんなことは、まず無理だろうね。






松本「どうや…… 遠征に来てよかったやろ？」





…流石、大阪を代表する監督。

選手の心をすぐに立ち直させるとは。





松本「(帰ったら特訓や。)」





…考えることは、鬼だろうけど。








御幸side




やっぱ、沢村はおもしれぇな。

俺の言葉にムキになって返してくる。




沢村「なってねーよ、別に!! 」




つーか、俺、先輩なんだけど。




御幸「けど、あの時以来か。

お前とバッテリー組むのは……」




春市「(え？)」


沢村「！」




ここまで長かったような、短かったような。

まぁ、そこは置いておこう。




御幸「楽しくやろーぜ！」

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