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第30話〜番外編・ある聖夜の物語3〜 ページ33

わたくしは・・・


ここよりずっと南にある、とある島国の第三王女でした。


その島国では、魔法は“呪い”のようなものとされていました。


体内に魔力をもつ魔導士は、みな“まじない師”と呼ばれ・・・忌み嫌われていました。


とくに女性の魔導士は“魔女”と呼ばれ、散々な仕打ちを受けていたのです。


わたくしも・・・魔女でした。


ただ王女という立場上・・・公になることはありませんでした。


・・・父や姉たちが暴走するまでは。


父は権力に溺れる哀れな人間。


自分の命令は絶対だと思い込み、舞い上がり・・・民を困らせてばかりの最低な王。


姉たちも、同じ・・・傲慢で最低な人間でした。


でもこれ以上酷くはならないだろう・・・


民もわたくしも、そう考えていました。


でも、そのささやかな望みは・・・跡形もなく打ち砕かれてしまいました。


とうとう父は、自分の絶対的な権力を使って、民を殺し始めたのです。


それに乗じて、姉たちも気に入らない民を次々と・・・


そしてその残忍な行動は、全てわたくしが、父や姉を“呪い”で操ってしたことなのだと、


国中を吹聴してまわったのです。


すぐさまわたくしは裁判にかけられました。


下された判決は・・・満場一致で、“処刑”でした。


当たり前ですよね・・・皆、騙されていたのですから。


処刑の方法は魔女らしく、十字架に磔にされて火で焼かれるという“火あぶり”の刑。


わたくしは何も反論することなく・・・大人しく磔にされました。


しかしわたくしの中には・・・激しい憎悪が渦巻いていたのです。


権力に溺れた汚い父や、それに便乗してわたくしを嗤う姉たち・・・


わたくしはそんな生活に、もうとっくに嫌気がさしていました。


こんな汚れた国で生きるくらいなら、潔く散ってしまおう・・・


磔にされながら、そんなことを考えていました。


汚れた人間を見ないようにと、目を閉じた瞬間・・・


わたくしに火を放とうとした兵が、吹き飛ばされるのを感じました。


不思議に思って目を開けると・・・


民や父や姉の血で、真っ赤に染まった国がありました。


そしてその中心に、Aが悠然と立っていたのです。


Aはわたくしに言いました。


「生きることを諦めるな」と。


「きれいな人間が、無残に散っていいはずがない」と。


Aの言葉が・・・わたくしの世界を生まれ変わらせたのです。

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作品ジャンル:アニメ
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シロナ(プロフ) - ユノさん» ありがとうございます!コメントを頂くとすごく励みになります・・・更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2014年12月14日 14時) (レス) id: 16408a5fe0 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ(プロフ) - 私も7つの大罪シリーズ好きです!!この小説面白いですよ!更新頑張ってください!! (2014年12月14日 14時) (レス) id: 90244c805f (このIDを非表示/違反報告)
シロナ(プロフ) - 紫さん» ありがとう!頑張って書くね!!なんかリクエストあったら教えて! (2014年12月1日 21時) (レス) id: 16408a5fe0 (このIDを非表示/違反報告)
- すっっっごくおもしろかった!!続きが楽しみ!また学校でもいろいろ話そう! (2014年11月29日 3時) (レス) id: d55e707bcf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シロナ | 作成日時:2014年11月9日 23時

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