story11 ページ12
「私に媚を売ったって、意味ないのよ?
私は貴方に靡いたりしない。
咲間の人間は、感情なんてないんだから」
キリキリと痛む心を無視して、じっと跡部景吾を見つめた。
どうして、わからないの?
貴方程の人間なら、わかるでしょう?
意味なんて、ないのよ。
咲間は決して取り込んだりできないんだから。
「俺様には、お前が『助けて』って言ってるようにしか聞こえねぇ」
「……っどうして、そうなるのよ」
高鳴る心臓をぎゅっと抑えて視線を逸らした。
助けて?
そんなこと、思うはずないじゃない。
そんなこと、思っちゃいけないのよ……っ。
__________私、何考えてるの。
これじゃあ、跡部景吾の思うつぼじゃない。
心が乱されたら負けなのに。
私は辛くなんかない。
だって私は望んで咲間にいるんだから。
逃げることだって、できた。
でも私は、それをしなかった。
「お前は……」
「帰るわ」
跡部景吾の言葉を遮って、背を向ける。
このままじゃ、呑まれてしまいそうだったから。
そんなこと、あっちゃいけない。
私は、咲間Aなのよ。
穢れた血を、受け継ぐ者なんだから。
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SHINO(プロフ) - 菫-sumire-さん» ありがとうございます。こんな私に憧れる要素があるか、わかりませんが、ありがたいです。本当に未熟で、読みにくい部分もあるかと思いますが、皆様に納得していただけるように頑張りたいと思います。とても温かいコメントをありがとうございました。 (2016年2月7日 13時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 梅田さん» ありがとうございます。キャラの特徴や性格は私なりに研究していたつもりです。なのでそう言っていただけると本当に嬉しいです。氷帝にとって跡部さんは絶対的な存在だと思うのでそれを表現できていてよかったです。素敵なコメントをありがとうございました。 (2016年2月7日 13時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
菫-sumire-(プロフ) - SHINOさんの小説、影から読ませていただいておりました。憧れるところなんて正直言い切れません.....他のどの作品も楽しみにしています。 (2016年2月7日 12時) (レス) id: dbfe85220f (このIDを非表示/違反報告)
梅田(プロフ) - それぞれのキャラの特徴を良く捉えた上での跡部至上主義な発言がとても好きです。とりあえずの完結、おめでとうございます。続編も楽しみにしてます。SHINOさんの作品ですから、SHINOさんのペースで進めてください。一ファンとして影ながら応援しております。 (2016年2月7日 11時) (レス) id: 78d0f2e1a4 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - ゆっきーさん» 返事がおくれてすみません!続きを楽しみにしていただけるのは、作者として本当に嬉しいです。ワクワクドキドキしていただける展開にしていきますので、よろしくお願いします。素敵なコメントをありがとうございました。がんばります! (2016年1月25日 22時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SHINO | 作成日時:2014年7月26日 13時