邪道ヒロイン21 ページ23
「おい!貴様!」
ズイっと前にでてくる老け顔さん。
迫力すごいっすね。
だけども、話す気はないので、視線をお菓子へ向けた。
ぶふふっ。どれを食べようかなぁ!
にやけを必死に抑えて、ポッキーへと手を伸ばした。
「貴様、なめているのか?」
な、ん、で、き、れ、て、る、の。
迫力ありすぎて怖い怖い!
「さ、真田様!その子が高城さんを悪く言ってたのよ!」
「そうなの!その子、高城さんが嫌いみたいで!」
私を指差し、猫撫での声で言う女。
いやいや、なんのことでしょう。
第一、あなた方と話した覚えもないぞ。
「本当なのか?」
睨むように覗き込む老け顔さん。
だけど、老け顔さんになんと思われようと私はどうでもいいわけで、とりあえずお菓子が食べたかったから、ガン無視することにした。
ボリボリ。新発売のポテトチップスを頬張る。
うん。ハバネロカルビ味、最高!
「キェエエエエ!!話を聞かんかぁ!!」
「うおっ」
抱えていたポテトチップスが老け顔さんの手によって奪われた。
「返せ」
低い、低い声を発する。
お菓子が何よりも大切な私にとって、これは絶対にやってはいけないタブーだったのだ。
そう、私からお菓子を奪うことは。
「……っ」
女子達が、息を呑むのがわかる。
そりゃあ、そうだ。
私が口を開くことさえないに等しいのに、何やら有名人の老け顔さんを睨みつけている。
驚きだったに違いない。
「返して欲しければ、ついてこい」
驚いた様子も見せず、眉をぴくりとさせてそう言った老け顔さん。
冷静に考えよう。
ここでついて行けば、間違いなくリンチだ。
フルボッコだ。
だって老け顔さんのお顔が恐ろしすぎる。
下手したら貞子より怖い。
だが、背に腹はかえられん。
お菓子の為なら。
ガタンッ
椅子から立ち上がり、老け顔さんに目で合図する。
「ふっ、よかろう。
行くぞ、柳生」
眼鏡さんに声をかけた老け顔さんは、有無も聞かずに歩いて行った。
私はその後を、小走りでついて行く。
「何あの子?」
「真田様と柳生様に取りいるつもり!?」
そんな声が周りから聞こえてくる。
気づけば、視線を集めていた。
女子達のあの目。
この前髪を切り落とされた子に向けていたものと同じ。
不愉快だ。
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ナツ - 面白い、面白い、面白い、面白いぃィィィィ!読んでる途中だけどついコメントしちゃいました。 (2021年2月14日 20時) (レス) id: c58bd08887 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉 - 夢主が羨ましいですな…。ゆっきーに受け止められるとか…。 (2015年1月21日 18時) (レス) id: 13030ae857 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 菜月夜さん» すみませんんん!!山田って苗字私は好きです!修正します! (2015年1月15日 21時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
菜月夜 - あの…私の名字、山田なんです…ダサイはひどいよぉぉ←でもこの作品大好きでふファイト!…でもダサいは酷いよ← (2015年1月15日 18時) (レス) id: 3c42b54fb5 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 茉莉さん» 面白いだなんてっ!ありがとうございます!ふ、ファン!?恐れ多いです、ほんと。けれどとても嬉しいです。ずっとそう思っていただけるよう、精一杯努めさせていただきます!コメントありがとうございました! (2014年12月31日 0時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SHINO | 作成日時:2014年6月27日 19時