【テニプリ】せーの！邪道ヒロイン伝説！！

邪道ヒロイン22 ページ24

あんま目立ちたくなかったのに。


まぁ、仕方ない。

お菓子の為だ。我慢しよう。




面倒なことになったら『リンチされてました』って正直に言えばいいしね。

うん、そうすれば大丈夫だ。




それにしても、老け顔もちゃんと見れば整った顔立ちをしている。



今日一日で８人も美系さんに会っちゃったよ。

もしかしたら、今までイケメンに出逢わなかった分なんだろうか。


それでもしくは、モテ期とか？


ブフフフフフッ。




ああ、いけない。いけない。

また妄想してた。





ちゃんと地味に振舞わなきゃ。



こいつ等“様”付きで呼ばれてた。

見たところ、いつも女子達が騒いでる奴等なんじゃないかな。


この前も、なんとか様がどうとか言ってたし。

周りからの視線が何よりの証拠。


関わったら面倒なことになるのは目に見えてる。




絶対に、素を出しちゃいけない。

トマト君の時とはわけが違うんだ。




じぃっと老け顔さんと眼鏡さんの背中を見つめていると、屋上に続く階段にたどり着いた。




そういえば屋上は、立ち入り禁止だった気がする。


生徒たちも近づかないし。

今は昼休みだけど、誰もいないだろう。


入って大丈夫なのかな？



まさか、本当にリンチフラグなのか？

乙女の身体に傷をつけるつもりなのか？



イケメンのくせに……。


まぁ仕方ない。




お菓子のためだ。





先に上っていった２人に続き、私も一段目を踏みしめた。









＊――――――――――――＊







この一歩が、全ての始まりだった。


私と奴等……テニス部のハチャメチャで、おかしな日常。



泣いたり笑ったり、私にとって何よりも大切な日々だった。



終わりが来るのは、わかってたんだよ。






でも、そこには確かに絆が存在してたと思うんだ。









私は１人じゃない。





初めて、そう思えたから。







みんな、ありがとう。

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