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15* ページ15

何を言われるのか。

例えばそれが、ボクに対する罵倒であっても
“嫌い”という言葉であっても

全て受け止める覚悟はあった。


店内に入ってきた彼女。
真っ直ぐ前を見ていた。

目を見張ったのは、ボクの知らない間に伸びていた髪の毛。
あの日と変わらない瞳の色。

瞬間に、鍵をかけていた感情が覗く。
固く縛られた糸が、ほどけていく様に。


心を痛めたのは……


___そんな表情、させるつもりじゃなかった。


浦「まさか、本当にいらっしゃるとは」


自分の口から飛び出た、棘のある言葉。


一緒に過ごしていた九年の中で
君の涙なんて一度も見たことがなかったのに。

見たくなかったのに。


涙を拭わないで、俯いて彼女は歩み寄る。


「………A、サン……?」


予想外の展開に、反応できない。
両腕を回されて、彼女の涙が布越しに伝わる。

温かかった。


抱きしめていいのか戸惑う。
そんな権利は、あるのか。


迷っている内に、彼女の腕の力は強くなった。


嗚呼。


思い出したよ。
君の温もりを。
それを愛おしく想う気持ちを。


せめて、壊れないように加減して

腕を回す事が出来た。








浦「本当は、来ないと思ってました」


浦「もう、ボクの事は忘れてるんじゃないかって」


浦「本当は、それでもいいかなって思ってたんです」


浦「……どうして来たんスか」


浦「Aサンは、いつだってボクの予想を超えてるんですよ」


浦「最初に食事に誘った時だって、まさか断られるなんて思ってませんでした」


浦「それでも、いつだってボクが舞い上がる程の答えをくれるんです」


ボクの胸に顔を埋めていた彼女は、少し顔を離して、少し背伸びをして_____


触れた唇は、しょっぱかった。

それと同時に、甘かった。










ほら、まただ。


予想外の返事。


ボクが舞い上がる程の返事。


言葉にした方が伝わるのかな。


いや。


少しかがむ。


こっちの方が、手っ取り早くていいや。

16*→←14*


ラッキークリスマスプレゼント

ケーキ


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設定タグ:浦原喜助 , ブリーチ , もう脳内クリスマスだぜ   
作品ジャンル:アニメ
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キラ(プロフ) - とっても面白いです!!楽しみに待ってます! (2018年12月9日 22時) (レス) id: 4b08e8e764 (このIDを非表示/違反報告)
叶羽(プロフ) - ヤバいです!!喜助さんかっけー!!!!!! (2014年5月22日 20時) (レス) id: 1de2df6c67 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 面白かったです(´∀`) (2013年12月23日 14時) (レス) id: ad6546bcf2 (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - しのさん» 大丈夫ですよー(*´∇`*)了解です! (2013年7月19日 0時) (携帯から) (レス) id: b4c601e43f (このIDを非表示/違反報告)
さくまどろっぷす(プロフ) - しのさん…!通知があってソッコー来ましたよ(別にそうでもない)!しのさんの作風が大好きなので、いつまでも応援してます!頑張って下さい! (2013年7月3日 18時) (携帯から) (レス) id: 37a80ee47e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しの | 作成日時:2012年11月17日 21時

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